65歳から受給開始となる「老齢年金」。受給時期を後ろにずらすことで、受け取れる金額を増やすことができる「繰下げ受給」を検討している人も多いのではないでしょうか? 年金が増額することで、ゆとりのある老後が送れるようになります。しかしながら、想定外の「デメリット」も存在するようで……。今回は、年金の繰下げ受給に関する意外な「落とし穴」について、FPの辻本剛士氏が解説します。
とんだ勘違いをしていました…〈繰下げ受給〉で年金が「月26万円」に増額し、歓喜したのも束の間。“夢の老後ライフ”を謳歌していた72歳男性を襲った「猛烈な後悔」【CFPが解説】
”健康寿命”を意識した老後計画が大切
繰下げ受給は将来の年金受給額が増額するメリットがありますが、一方で、受給開始後から健康寿命までの期間が短くなってしまうデメリットもあります。また、将来の年金額が増加すると同時に、税金や社会保険料も増加してしまう点も見落とされがちです。
自身の寿命や健康寿命は誰にもわかりません。72歳で健康寿命を迎える人がいる一方、健康寿命の平均を大幅に超え、90歳でも元気に過ごしている人もいます。そのため、繰下げ受給を検討する際は、個々の健康状態や生活スタイルを慎重に考慮することが重要です。
そのうえで、バランスの取れた食事や定期的な健康診断、適度な運動などで健康に気を遣い、少しでも健康寿命を延ばせられるよう、努めることが大切です。
辻本剛士
ファイナンシャルプランナー