トレードに慣れてきた初心者トレーダーの末路
トレードに慣れてきたり、想定以上の収益を得られたりすると、「トレードは簡単である」という錯覚に陥ることがあります。相場を意のままに操ることができると思い込むだけであれば問題ありませんが、その自己満足によってトレードスタイルやリスク管理が変わってしまうことは非常に危険です。
自己満足に陥ったトレーダーが行う典型的な行動として、急に取引ロットを上げて、自分のキャパシティ以上のトレードをしてしまうことが挙げられます。トレードに対する自己満足はより早く、より簡単に稼ぎたいという欲求を生み、トレーダーの相場観を崩します。その結果、無理なトレードや想定以上の損失を誘発してしまいます。
FXにおいて、自分のトレードスキルを過剰に評価してしまうことは禁忌事項として認識するべきでしょう。
初心者トレーダーに軽視されがちな「危険信号」
FX初心者が起こしがちなミスで、「想定以上の損失を出す」ということがあります。事前に立てたトレード計画の間違えで損失額が大きくなってしまったと考えれば、大きなミスには感じません。しかし、想定以上の損失を出してしまうことは、トレード設計において初心者トレーダーが考えるよりもはるかに危険信号なのです。
想定以上の損失を出してしまう主な原因は2つあります。「自分のキャパシティ以上のロットを張ってしまうこと」と「トレード中に損切りのラインを変更してしまうこと」が挙げられます。
1つ目の、自分のキャパシティ以上のロットを張ってしまうことは、トレードに慣れ、安定した利益が上がるようになると起こります。人間の欲求はコントロールしない限り果てしないものです。FX初心者は利益が上がるようになると、さらに大きな利益を得たいという欲求に駆られます。さらに大きな利益を得るためにはどうすればよいかを考えると、簡単な方法として、一度のトレードで扱うロットを大きくするという方法が挙げられます。
しかし、取引ロットを変更することは、初心者トレーダーが想像する以上に精神的な負荷が大きくかかります。プロトレーダーはメンタル面を成長させない限り、ロット数を増やしてトレードすることはありません。より稼ぎたいという欲求に駆られた初心者トレーダーは、安易に取引ロットを増やし、想定以上の損失を招いてしまうのです。
2つ目の危険信号は、トレード中に損切りラインを変更してしまうことです。トレードの基本的なルールはトレード前に立てた計画を計画通りに実行することです。トレード中は様々な心理的不安がよぎり、感情的な行動をとってしまうリスクが存在します。感情に支配されたトレードを除外するために、トレードルールに則ることは非常に重要です。
そのなかでも、事前に決めた損切りラインを徹底して守ることは欠かせません。トレード中に含み損が膨らみ、損切りのラインを変更しようとすることは、トレード計画を否定することと同義です。事前に立てた計画を実行できなくなった時点で、そのトレードは損切りするべきなのです。自己満足によって生み出されるトレードは、自分の実力を過大評価し、自分のキャパシティ以上のリスクを負う原因になるのです。