高齢者が感じている「住まい」に対する不満
内閣府『令和6年版 高齢社会白書』によると、65歳以上の住まいとして最多は「持ち家(戸建て)」で76.2%。「持ち家(分譲マンション等の集合住宅)」8.3%を加えると、高齢者の持ち家率は8割を超えます。
ただ持ち家に対し、何ら問題がないかといえばそうではありません。持ち家の人に「現在の住宅の問題点」を聞いたところ、「何の問題点を感じていない」は31.0%。逆をいえば、7割の人は何かしら問題を抱えているといえるでしょう。
ではその問題点として最多は「住まいが古くなり、傷んでいる」で29.8%。問題点をざっと見る限り、このまま住み続けるのはどうなのか……と思ってしまう結果です。
【持ち家の高齢者に聞いて「現在の住宅の問題点」】
1位「住まいが古くなり傷んでいる」…29.8%
2位「地震・風水害・火災などの防災面や防犯面で不十分である」…25.8%
3位「断熱性や省エネ性が不十分」
4位「家賃・税金・住宅居維持費など住宅に関する経済的負担が重い」…14.1%
5位「談者が階段等があり使いにくい」…13.1%
6位「住宅が広すぎる」…12.1%
7位「部屋数が多すぎる」…10.9%
8位「台所・便所・浴室などの設備が使いにくい」7.7%
9位「日当たりや風通しが悪い」5.2%
10位「住宅が狭い」5.2%
そこで「住み替え意向の有無」について聞くと、「住み替えたい」が5.8%。「現時点ではその意向はないが、状況次第で将来的に検討したい」と合わせると、およそ3割の高齢者が住み替え希望です。住み替えの理由を聞くと、トップは「健康・体力面で不安を感じるようになったから」で24.8%。続いて、「自身の住宅が住みづらいと感じるようになったから」が18.1%と続きます。
古くて、段差も多くて…実際に住み替えを検討する際、どのような住まいが対象になるのでしょうか。持ち家の高齢者に聞くと、トップは「持ち家(戸建て)」で34.0%。「持ち家(分譲マンション等の集合住宅)」19.8%。半数以上が「引き続き持ち家に住みたい」と回答しています。以下、「有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅」12.8%、「シニア向け分譲マンション」8.3%と続き、分譲住宅は合計で13.3%と続きます。