現代を生きる日本人は、約2割が自立した状態で「100歳」を迎えます。それは裏を返せば残り8割は、誰かの助けを必要とする状態で100歳を迎えることを意味します。しかも、これから100歳を超えて生きる人の割合は増えると予想されています。では、この「超寿命化」の日本で健康に生きるためには、どのような生活を心がけるべきなのでしょうか。本記事では老年心理学者の権藤恭之氏による著書『100歳は世界をどう見ているのか』(ポプラ社)から一部抜粋して、健康長寿の秘訣についてご紹介します。
100歳を超えて生きる「超寿命化」は今後さらに進む…長い人生を健康に生きるための戦略とは【老年学の権威が解説】
ピンピンコロリにこだわらない
100歳の人がどのような生活をして、どのような心理状態になるかを調査した結果、8割は自立していない状態ですが、必ずしも不幸だとは感じていないことがわかりました。
では私たちは「人生100年時代」あるいは「人生110年時代」をどのように生きればよいでしょうか。現代の日本は超寿命を達成することが可能な社会で、今後さらに超寿命化は進みます。
自立した状態で100歳を迎える人は今は2割ですが、今後環境が変わることで4割ぐらいにまで拡大できるかもしれないと思います。でもそうなっても残りの6割は他者の助けが必要な状態で100歳を迎えることになります。
このような状況を踏まえて私たちにできることは何でしょうか。私はピンピンコロリ一辺倒の一本足打法ではない、二本足打法を心がけるのがよいのではないかと思っています。個人の努力でピンピンを目指す戦略と、それがうまくいかなかった場合のことを想定した別の生き方の準備です。
ピンピンコロリを目指すためにはすでに多くの研究があり、それらの文献にあたってもらいたいのですが、百寿者研究の結果から少し紹介しましょう。