投資戦略や家計の見直しに着手

FPの永瀬さんとの対話から多くを学んだ石丸さんは、自身の投資戦略を根本から見直すことにしました。

まず、新NISAの成長投資枠で買ったアクティブ型の投資信託については、すべてを処分して預金に移し、緊急時の資金に充てることにしました。つみたて投資枠の投資信託の設定は、世界株の毎月10万円から無理のないバランス型の3万円に変更しました。

iDeCoの掛金は、当面の間、最低額の5,000円に減額しました。「将来のための備えは大切だけど、今の生活を壊してまでする必要はない」と石丸さんは判断しました。

「掛金をゼロにすることも可能ですが、手数料がかかり続けるというデメリットがあります。また、最低金額でも掛け続けると、引き出すときに税金が優遇される退職所得控除の控除枠が増えてお得です」と永瀬さんから聞いてこの金額にしました。さらに、家計の見直しも行いました。

「投資だけでなく、支出の管理も重要だと気づきました。家族にとって緊急事態と言える状況ですから、協力して家計を見直してできる限り無駄な出費を削減することにしました。妻も勤務日数を増やしてくれたんです」

65歳からもらえる年金も、収入減が続けばこれまで見込んでいた金額よりも減る可能性が高くなります。しかし、まずは健康の回復を最優先にしようと決めました。