投資の本質と危機管理の重要性

投資に人生の夢を託したつもりが、実は大きなリスクを背負っていたことに気づいた石丸さん。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。家族のために、そして自分の将来のために、何かしらの対策を講じなければなりません。

そこで、友人の紹介でFPの永瀬財也さん(仮名)に相談することにしました。

永瀬さんは石丸さんの状況を丁寧に聞いたあと、まず投資と投機の違いについて説明しました。「石丸さん、あなたがやっていたのは投資ではなく投機に近いものです。短期的な利益を追求する投機は、ほとんどの場合、プロでさえ長期的には負けてしまうんです」

石丸さんは驚きました。永瀬さんは続けます。「投資には基礎知識が不可欠ですし、投資に回すのは余剰資金が鉄則です。目的別に資金を区分することが重要です。日常生活費や緊急時の資金は預金として持っておくべきですし、住宅費や教育費など中期的な特定の目的のための資金は安全性を重視した運用が必要です」

新NISAやiDeCoについても、永瀬さんは重要なポイントを指摘しました。「これらは税制優遇があり有利な商品ですが、iDeCoは60歳まで引き出せないことを忘れてはいけません。また、投資信託を選ぶ際は、初心者の方にはリスクを抑えてコストも安いインデックス型が有力な選択肢となります」

実は、石丸さんはつみたて投資枠ではインデックス型(世界株)の投資信託を選んでいましたが、成長投資枠で選んだのはアクティブ型の投資信託でした。しかし、ろくに勉強をせず勢いで投資を始めた石丸さんは「アクティブ型」と「インデックス型」の違いもよくわかっていなかったのです。永瀬さんにその違いを聞き、ようやく理解したのでした。