借地権が設定されている土地=底地を活用した一般投資家向け不動産金融商品「地主倶楽部」。建物を保有せず土地のみに投資をするという独自の不動産投資手法を用いて、投資家に対して長期安定の金融商品の提供を目指している。2023年の1号案件に続き、2024年7月より2号案件の募集が開始された。2号案件にはどのような特長があるのか? 「地主倶楽部」の今後の方向性は? 地主フィナンシャルアドバイザーズ株式会社の代表取締役 榎本龍馬氏に伺った。

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機関投資家向け不動産金融商品を、個人向けに…「地主倶楽部」1号案件

老朽化による資産価値の減少、自然災害による損壊、賃料収入の変動……不動産投資におけるリスクと考えられていることのほとんどは、実は「建物」に由来するリスクである。つまり、建物に投資しなければ、これらのリスクとは無縁だ。そこに目をつけ生まれたのが、地主グループ独自の不動産投資手法『JINUSHIビジネス』である。

 

地主ファイナンシャルアドバイザーズ株式会社 代表取締役 榎本龍馬
地主フィナンシャルアドバイザーズ株式会社 代表取締役 榎本龍馬

 

「JINUSHIビジネスは、建物を持たず土地のみに投資する、定期借地権を活用した独自の不動産投資手法です。取得した土地をテナントに貸し、テナントからいただく借地料を長期安定の金融商品として投資家の皆様に提供しています」と、東証プライム上場の地主株式会社の子会社・地主フィナンシャルアドバイザーズ株式会社の榎本龍馬代表取締役。これまで、地主グループでは、国内唯一の底地特化型の私募リート「地主プライベートリート投資法人(地主リート)」を通じて、生損保や年金基金などの機関投資家の資金を運用してきた。地主リートの現在の資産規模は2,216億円。中期目標を3,000億円とし、早期に5,000億円の達成を見据えているという。

 

そんなJINUSHIビジネスを一般投資家に向けて提供するのが『地主倶楽部』である。

 

「この土地のみに投資する不動産金融商品は、建物を保有しないことで、様々なリスクや手間を排除しています。建物にかかる保守や修繕・改修などの追加投資も不要です。テナントとは20年から50年の契約を結んでいるため、賃貸収入が長期に安定しています。このシンプルなJINUSHIビジネスの長期安定性は、個人の方にこそご理解いただけると思います」

 

地主倶楽部の仕組み ※図表をクリックすると詳細ページ(外部サイト)に遷移します
地主倶楽部の仕組み
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『地主倶楽部』は、10万円から投資が可能で長期安定の利回りが期待できる。その第1号案件「1号横浜市港北区」は2023年12月から運用が開始された(現在は募集終了)。

 

横浜市港北区、東急東横線「大倉山」駅から徒歩13分の底地。そこに建てられた倉庫・事務所には専門商社がテナントとして入り、そのテナントとは長期の定期借地契約を結んでいるため退去リスクは低く、先に触れた通り、安定した利回りが期待できる。運用期間は13年7ヵ月で、テナントからの借地料を原資とした期中想定利回りは3.0%。組成総額2億1,860百万円に対し、市場価格の参考となる鑑定評価は5億100万円の評価だった(更地鑑定評価は6億4,800万円)。

 

「1号案件は、期中想定利回りの3.0%とは別に、対象物件の売却時利益(キャピタルゲイン)の4割を上限として投資家に配当する仕組みで設計しています。弊社はファンド運用者として、投資家のリスクを抑えつつ利益は最大化する運用を行っていきます」

 

1号案件の反応は上々。不動産投資家を悩ませる建物に由来するリスクがなく、定期借地契約に基づき運用中の収入は一定。10年超の長期で安定した分配が期待でき、アップサイドの可能性もある……JINUSHIビジネスを初めて知った投資家は、その独自性に面白みを感じつつ「実に手堅い=収益を読みやすい投資手法」と評価している。

 

「『地主俱楽部』は、3層のリスクヘッジがなされた商品です。1つ目は、価値の下がりにくい転用性のある土地に投資していること。2つ目は、弊社が各案件に対して劣後出資を行っていること。3つ目は、鑑定評価よりも割安な金額で募集を行なっていること。元本を保証するものではない点は十分ご留意いただきたいですが、案件ごとに特性や戦略が少しずつ異なるので、投資家の皆様にはご自身が良いと判断した案件を選んでもらえればと考えています」

 

地番

 神奈川県横浜市港北区樽町一丁目
 87番2、87番3、87番4、112番1、112番2、113番1、113番2、

 114番1、 114番3、合計9筆

交通  東急東横線「大倉山」駅 徒歩約13分
土地面積  公簿:958.29㎡(289.88坪)、実測:957.99㎡(289.79坪)
接道  北側:公道 幅員 約7m
 東側:公道 幅員 約4m
 南側:公道 幅員 約2m
用途地域  第一種住居地域
建蔽率 / 容積率  建蔽率:60% / 容積率:200%
相続税路線価  205千円/㎡(678 千円/坪)※令和5年度
鑑定評価額  501,000,000円
予定運用期間*1  2023.12.01 ~ 2037.06.30
募集形態  匿名組合型(不特法2条3項2号)
出資形態*2  匿名組合出資金(優先劣後方式)
募集総額  190,000,000円
申込単位  1口(100,000円)から
劣後出資予定額  28,600,000円
劣後出資比率   13.08%
税控除前想定利回り*3     年率3.0%を予定

【地主倶楽部1号案件概要】
*1:予定運用期間を満了せずに、本物件を売却して運用を終える可能性がございます。
*2:お客様の匿名組合出資金(優先出資)に劣後して事業者が出資(劣後出資)を行い、一定のリスクを負担します。なお、金融機関からの借入は行わない予定です。
*3:想定利回りは、賃借人の賃料増減もしくは公租公課の増減により変動する可能性がございます。

 

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待望の「地主倶楽部」2号案件…一般投資家が享受するメリット

出典:国土地理院地図(ベクター版)
出典:国土地理院地図(ベクター版)

 

第1号案件運用開始から8ヵ月、2024年7月に待望の第2号案件の募集が開始された。千葉市花見川区、京葉道路と東関東自動車道を連絡する宮野木JCTに近いロケーション。交通量の多いエリアの底地で、テナントとして入るのは、カー用品店最大手の企業。そして1号案件との最大の違いは、運用期間が5年間と1号案件の半分以下であることだ。

 

「2号案件では、有名な企業がテナントとして入り、運用期間も5年と、不動産小口化商品に馴染みのない人であっても投資しやすい商品だと思います」

 

募集総額は1億7,000万円で、期中想定利回りは4.0%。1号案件と同様に金融機関からの借入は行わず、従ってファンド運用の意思決定において、第三者による影響は受けない。また、1号案件と同様に、鑑定価格が募集総額を上回っており、元本棄損リスクが低いことも、地主倶楽部に興味を持っていただける投資家の後押しとなる判断材料になるだろう。

 

2号案件は1号案件のメリットを継承しつつ、2号案件独自の味付けをした新商品になっている。

 

「長期の投資で大きな回収を期待する方、中期で回収し次の商品への投資を考える方など、求めるものは投資家によって異なります。さまざまな投資家のニーズに応えられるよう、今後も中長期安定の不動産金融商品を幅広いラインナップで揃えていく考えですので、第2号案件だけでなく、第3号、第4号と注目いただければと思います」

 

地番  千葉県千葉市花見川区宮野木台二丁目129番6 
交通  JR中央総武線「新検見川」駅 徒歩28分
土地面積   823.66㎡(249.15坪) ※公簿・実測
接道

 西側:公道幅員15.95m

 北側:公道幅員9.12m  

用途地域  第二種住居地域
建蔽率 / 容積率  建蔽率:60% / 容積率:200%
相続税路線価  98千円/㎡(324千円/坪) ※令和5年度
鑑定評価額  249,000,000円
予定運用期間*1  2024.09.02 ~ 2029.09.01
募集形態  匿名組合型(不特法2条3項2号)
出資形態*2  匿名組合出資金(優先劣後方式)
募集総額*3  170,000,000円
申込単位  1口(100,000円)から
劣後出資予定額  10,000,000円
劣後出資比率  約5.56%(予定)
税控除前想定利回り*4   年率4.0%を予定

【地主倶楽部2号案件概要】
*1:予定運用期間を満了せずに、本物件を売却して運用を終える可能性がございます。
*2:お客様の匿名組合出資金(優先出資)に劣後して事業者が出資(劣後出資)を行い、一定のリスクを負担します。なお、金融機関からの借入は行わない予定です。
*3:最低成立金額を150,000,000円として募集します。
*4:想定利回りは、賃借人の賃料増減もしくは公租公課の増減により変動する可能性がございます。

 

※2024年7月2日インタビュー実施。取材後、2号案件は完売いたしました。現在、3号案件の組成に向けて準備中です。情報公開までお待ちください。

 

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