8月15日は2ヵ月に一度の年金支給日。本日は、6月分と7月分の2ヵ月分が支給されます。ウキウキしている年金生活者が多いなか、「俺たちが年をとったとき、いくら年金はもらえるんだろう?」と不安に思う若者たちがいます。
65歳の父「年金月17万円」だが…25歳の長男が40年後に受け取る、思わず歓喜の「年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

将来不安の強い今どきの若者…いくら年金はもらえそうか?

なぜ、親の年金額が気になるのか、佐竹さんは長男に聞いたところ、

 

――老後は不安。自分たちは、年金なんてもらえないかもしれない

 

内閣府『国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)』によると、「将来に備えるか、毎日の生活を充実させて楽しむか」の問いに対して、「将来に備える」は全体で46.3%、「18~29歳」では69.5%と、7割近くが将来不安を抱えていることが伺えます。

 

このような若者、将来的にどれくらいの年金を受け取れるのでしょうか。

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマン(平均年齢42.6歳)の平均給与は月収で40.8万円、年収で673.6万円。25歳の平均給与は月収で28.2万円、年収で474.0万円です。仮に60歳定年まで平均給与を得ると仮定すると、65歳から手にする年金額は、厚生年金が月11.4万円、併給の国民年金と合わせて月18.2万円。

 

昨今は、60歳定年後も働き続けるのがトレンド。仮に60歳定年以降は再雇用制度を利用して非正規として65歳まで働くとしたら、厚生年金は月12.9万円まで増え、併給の国民年金と合わせると月19.7万円ほどになります。さらに国民年金の加入期間を65歳まで引き上げるという議論もあり、それが実現すると、国民年金もプラスαとなる可能性もあります。

 

あくまでも現行の計算方法で算出したものですが、「へぇ、結構もらえるんだ」と、思わず歓喜したくなる年金額です。

 

ただ、今後の年金財政を考えると「年金減額」は既定路線といわれています。今年、年金制度の健康診断と呼ばれる「財政検証」が行われました。そこでは4つのシナリオが示されましたが、成長率がプラス1.1%のケースでは年金は1割目減り、成長率がマイナス0.1%にとどまるケースでは年金は2割目減りすると試算しています。

 

年金制度は100年続くよう設計されているとされているものの、年金受給額を確約するものではありません。またどんなに綿密に試算したところで、絶対といえるものではないでしょう。できるだけ早く将来に備えることが、唯一の防衛策です。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

厚生労働省『将来の公的年金の財政見通し(財政検証)』