水戻し不要、常温保存可能なソフトわかめを製造。トレーサビリティも徹底。
続いては、「わかめ」。大半のワカメは塩蔵タイプや乾燥タイプを水で戻す必要がありました。この水で戻す工程が面倒と感じる現代人のニーズを反映したのが、理研ビタミン(本社:東京都新宿区)から発売された「あえるわかめちゃん ナムル風うま塩味」。
同商品は水戻し不要なソフトタイプのわかめで、調味料を加えなくても野菜と和えるだけで簡単に和えものが作れます。製造にあたり、品質の安定性を保ちつつ水戻し不要でおいしく食べられる水分量に仕上げる製造条件を確立し、独自の調味技術でこれまでにない味種のソフトタイプわかめの開発に成功しました。
同社グループは、独自のトレーサビリティシステム(※)を採用。原料となるわかめがどこでどのように育てられたか、どのように加工・流通されたかを追跡できるようにしています。さらに、わかめに含まれる微量元素を分析して科学的に産地を推定し、トレーサビリティ記録と比較する検査を行っています。
※トレーサビリティ
「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること。
“漁師が食べる鮮度”を追求した「生ホッキ貝」の特殊冷凍技術
獲れたての魚介を生のままおいしく味わうこと。誰もが一度は夢見たことのある願望ではないでしょうか? 鮮度維持や流通面での進化はあるものの、地元の漁師だけが味わえるにとどまっていた食材は少なくありません。その一つが、北海道白糠町の「ホッキ貝」であり、それを輝かせたのが、「地域に根を張り、日本を興す」というコンセプトのもと、地域産業課題の解決をおこなうイミュー(本社:東京都品川区)です。
朝獲れたホッキを鮮度がよいうちに洗浄やハラワタの掃除、カットをして特殊冷凍機で即冷凍。マイクロウインドシステムという冷却方式により、冷気の気流が多方向に移動して食材を取り囲むことで高速冷却が可能に。また冷凍時に小さな氷結晶を作ることで細胞膜が破壊されずに解凍後の鮮度や風味を保つことができます。このような画期的な冷凍技術はふるさと納税品などにも少しずつ採用されつつあります。
実際に注文して冷凍状態のホッキ貝を観察してみましたが、身崩れしたり霜が降りるなどは一切なく、ピンと鮮度を保ったままの様子がすぐにわかりました。そして流水解凍で食べた時の感動は忘れられません。