みなさんは、「食の安全」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか? 食中毒や健康被害の予防? 異物混入や食品偽装対策? 概念的な視点を少々広げていくと、鮮度維持技術、食品保存技術の進歩なども当てはまるでしょう。例えば、産地でしか食べられなかった鮮魚がどこにいても食べられるようになることやこれまで冷蔵保存必須だった食品が常温保存ができるようになることは、私たちにとって日常の食生活に安全・安心をもたらしてくれることにつながります。それでは、そのような食品の安全性向上を後押しするような技術やシステムにはどのようなものがあるのでしょうか?そこで今回は、“食の安全・安心”をキーワードに、画期的な商品や最新検査システムなどをご紹介してみたいと思います。
常温保存、冷凍技術、異物混入予防…食の安全性を後押しするテクノロジー最前線 イミュー提供

AIを駆使した外観検査

製造現場の外観検査の自動化と品質管理の強化を支援するソリューション「メキキバイト」
製造現場の外観検査の自動化と品質管理の強化を支援するソリューション「メキキバイト」

最後は異物混入対策に関する最新システムのご紹介。フツパー(本社:大阪市淀川区)が提供する「メキキバイト」は、製造現場の外観検査の自動化と品質管理の強化を支援するソリューションです。検査の自動化、省人化、検査精度向上だけでなく、検査結果のデータ化、管理図への変換などを行う品質管理機能を標準搭載。管理図から品質の傾向分析を行い、不良原因を特定することで、そもそも不良を出さない工場作りをサポートするなど、フードロスや生産工数削減へも寄与することが期待できます。

メキキバイトは、食品機械業界において貢献した企業に贈られる第3回FOOMAアワード審査委員会賞を受賞するなど、業界内でも大きく注目されています。このように検査だけにとどまらないワンストップのシステム&サービスはこれからのスタンダードになっていくに違いありません。

いかがでしたか? 食品を生み出す製造機器の技術は食文化の多様化やグローバル化にともなって、可能性は無限大に広がりつつあります。和食が世界中いろいろなシーンで花開く時代もそう遠くはありません。

今回ご紹介した事例はごく一部ですが、様々な技術が進化し融合することで、食の安全・安心はますます深まっていくのではないでしょうか? もちろん私たちがそれらを理解していく姿勢も大切ですから、日々の情報発信に関心を寄せていくことにしましょう!

<著者>
スギアカツキ
食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。