配偶者を亡くした際、要件を満たしたら受け取ることのできる遺族年金。生活が不安定になりがちな遺族にとっては、ありがたいものです。ただその仕組みは複雑怪奇。受給申請のときに、思わぬルールで「えっ⁉」と涙することも珍しくないようです。
〈年金月16万円・70歳夫〉を亡くした〈契約社員・68歳妻〉、年金事務所で判明した「遺族年金額」に憤り「働くだけ無駄では?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の4人に1人は働く時代…「働く70代」も5人に1人

以前は、定年を迎えたらほぼ強制的に現役を完全引退というのが当たり前でした。ところが高齢化が進み、定年年齢が引き上げられたり、廃止になったりしているなか、何歳まで働くかは、自分で決めないといけないケースが多くなっています。

 

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査』によると、「あなたは、何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいと考えますか」の問いに対して、「50歳以下」が7.8%、「51~60歳」が14.8%、「61~65歳」が28.5%、「66~70歳」が21.5%、「71~75歳」が11.4%、「76~80歳」が3.6%、「81歳以上」が2.0%。

 

さらに「60代以降も働きたい」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最多は「生活の糧を得るため」で75.2%、「いきがい、社会参加のため」36.9%、「健康に良いから」28.7%、「時間に余裕があるから」14.6%、「定年退職の年齢だから」10.6%、「職場に頼まれたから」8.8%。そこに仕方がないという感情があるかどうかはさておき、「生きていくために働く」という人が圧倒的。さらに、いきがいや健康が働く動機になっていることが分かります。

 

では実際に、どれほどの人が高齢者になっても働いているのでしょうか。

 

総務省『労働力調査』によると、2023年、65歳以上の就業率は25.2%。男性34.0%、女性18.5%でした。年齢別にみていくと、「60~64歳」の就業率は74.0%。男性84.4%、女性63.8%。「65~69歳」の就業率は52.0%。男性61.6%、女性43.1%。「70~74歳」の就業率は18.4%。男性25.9%、女性13.0%でした。

 

働く女性よりも働く男性が多いのは高齢者になってからも変わりはありませんが、どちらにせよいまや高齢者の4人に1人は働く時代。原則、公的年金をもらう年齢である65歳以降もその半数が働き、70代を超えると、5人に1人が働き続けています。