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都心へのアクセスの良さから都内屈指のベッドタウンとして発展
東京都の多摩地域の北東部に位置する「西東京市」。東に練馬区、西に東久留米市と小平市、北に埼玉県新座市、南に武蔵野市、小金井市と隣接します。
2001年、田無市と保谷市が合併して誕生。21世紀最初に合併により誕生した市です。高度成長期の頃には「ひばりヶ丘団地」が造成され、都内でも屈指のベッドタウンとして発展してきました。市が誕生したころの人口は18万人強。2015年には20万人に達しました。
市の北部を西武鉄道池袋線、南部を西武鉄道新宿線が東西にはしり、西武池袋線「ひばりヶ丘」から「池袋」へは15分ほど。さらに東京メトロ副都心線、有楽町線に乗り入れ、副都心線では「新宿三丁目」「渋谷」、さらには横浜方面へ、有楽町線では東京都心を経て「有楽町」へダイレクトにリーチすることができます。西武新宿線「田無」から「西武新宿」へは20分ほど。また「高田馬場」ではJR山手線や東京メトロ東西線に乗り換えることもできます。このような都心へのアクセスの良さが、ベッドタウンとして発展して一番の要因といえるでしょう。
一方で市の南北方面への鉄道路線はなく、移動は車やバスに頼ることになります。バス便では市内各駅からJR中央線「三鷹」「吉祥寺」などを結ぶほか、コミュニティバス「西東京市コミュニティバスはなバス」が市民の足として親しまれています。一方で、主要道路の道幅が狭く、渋滞が発生しやすいのが欠点だといえるでしょう。
そんな西東京市の中核をなすのが、西武池袋線「ひばりヶ丘」駅周辺と、西武新宿線「田無」駅周辺。「ひばりヶ丘」駅南口には広場を囲むように西友や『ひばりヶ丘PARCO』が建つほか、再開発によりタワーマンションが誕生。「田無」駅北口には再開発により『LIVIN田無』を各テナントとする複合商業施設「アスタビル」が整備されました。また各駅周辺には商店街が形成され、日常品は駅周辺で揃えることができます。
市内には武蔵野大学武蔵野キャンパスや早稲田大学東伏見キャンパスなど、教育関連施設が点在し、学生を中心に若年単身者層から支持を集めています。また住宅街が広がる一方で、市域の1割程度は農地が残り、ブルーベリーやナシが特産品として知られています。このような恵まれた環境を活かしたまちづくりが行われているのも、西東京市の特徴のひとつです。市内には「運動場やコートなどを備えた市内最大規模の市立公園『西東京いこいの森公園』のほか、バーベキューやスポーツが楽しめる公園が点在。緑も多く、子育てしやすい環境が揃っていることから、ファミリー層からの支持も厚いエリアです。
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今後も安定的に人口増加という予想もある「西東京市」だが…
では「西東京市」の現況についてみていきましょう。2020年に行われた国勢調査によると、大和市の人口は20万7,388人。5年前調査20万0,012人から7,376人の増加。割合にして3.7%増で、東京都全体の増加率3.9%を、若干下回っています。平均年齢は45.8歳。全国平均47.66歳と比べると若い人が多いですが、東京都平均45.26歳と比較すると、高齢者が多いことが分かります。人口分布を人口ピラミッド(図表1)でみていくと、ボリュームゾーンは40代~50代。働き盛りが多く居住するエリアだといえます。
世帯数は9万6,896世帯で、世帯当たり構成数は2.14人。全国平均2.26人は下回っていますが、東京都平均1.95人は上回っています。世帯構成について詳しくみていくと、施設入居世帯除く一般世帯9万6,896世帯のうち、単身者世帯は3万9,856世帯で、全世帯の41.4%。東京都平均は50.2%なので、東京都の中では比較的家族層に選ばれるエリアだといえます。
人の流れをみていくと、昼間人口は14万3,675人。夜間人口は18万2,681人。市外への通勤・通学者が多い、典型的なベッドタウンであることが分かります。そのため不動産投資を考えるのであれば、駅を中心に考えるのが有力な選択肢となります。
各駅の乗降客数をみていくと、【図表2】の通り。新宿線であれば「田無」、池袋線であれば「保谷」「ひばりガ丘」が、1日平均乗降客数5万~6万人を誇り、地域の中核をなしていることが分かります。西東京市で不動産投資を考えるのであれば、この3駅がまずは選択肢になりそうです。
この3駅周辺の賃貸の状況についてみていきましょう。大手住宅検索サイト3社における「田無」駅周辺の平均家賃は、ワンルームで6.5万円、2LDKで12.54万円。「保谷」駅周辺ではワンルームで6.32万円、2LDKで13.15万円、「ひばりヶ丘」駅周辺ではワンルームで6.03万円、2LDKで14.27万円。単身者用ワンルームでは「田無」、ファミリー層もターゲットになってくる2LDKでは「ひばりヶ丘」が、家賃水準は高くなっています。
「田無」は若者に人気の吉祥寺エリアに隣接するエリアで、バス利用で25分ほど。このようなロケーションから、単身者向け物件では家賃水準が高くなっていると考えられます。一方、ファミリー層もターゲットになる物件では、この3駅のなかでも商業の集積が進む「ひばりヶ丘」が居住面では利便性が高く人気に。そのため家賃水準が高くなっていると考えられます。
そんな西東京市の将来像をみていきましょう。国立社会保障・人口問題研究所の推計のなかで、最も楽観的なシミュレーションでは、2040年に22万人程度まで人口は増加するとしています。一方、現実的なパターンでは、今後、緩やかに減少し、2045年には20万人を割りこむと予測しています(図表3)。
2015年時点での人口を100とした際の年齢別の人口推計をみていくと、2030年、15歳未満の人口は89.82、15~64歳人口が87.45。一方で65歳以上の高齢者人口の割合は増え続け、2040年には140.55。2050年ごろまで増え続けると予想されています(図表4)。
東京23区に隣接する西東京市は、単身者と共に、家族層にも人気のベットタウンを形成しています。東京でも人口減少がはじまるとされているなか、西東京市では一定の人口を保つ予想もあります。しかし賃貸経営のメインターゲットとなる現役世代の割合は減少。高齢化が進行すると見込まれています。
このような局面において、変化する入居者ニーズにしっかりと応えていくことが重要。賃貸経営においてパートナー選びがさらに重要になっていくといえるでしょう。