老人ホームの入所にあたり、最大の懸念といえばその費用。通常は入居者本人が負担するものですが、子どもが払うことも珍しくはありません。またしっかりとシミュレーションしたものの、想定通りいくとは限らず、驚愕の事態に直面する場合も……。
「年金月6万円」「貯金1,500万円」の81歳母…54歳の長男が〈老人ホーム請求額〉に「気絶しそう」。元凶のおむつ代、衝撃の金額 (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホームからの初めての請求…そこで初めて知る驚愕の事実

母が老人ホームに入所し、ほっとひと息の男性。

 

――父が亡くなり、母があの家(実家)でひとり暮らしを続けるというのは、やはり心配でした

 

ただ入所から1ヵ月後、驚愕の事態に直面します。月額費用が初めて引き落としとなる日。利用明細は、長男である男性宅に送られてくるようにしていました。その明細をみてビックリ。

 

家賃、管理費、食費、光熱費、介護費用、洗濯代。ここまでは月額費用として含まれている金額。そこにプラスされ、美容代、レクリエーション代、プラスαの介護費用。トータルで3万円ほどで、ここまでは想定していた通りです。しかし実費分として請求されていたのが「おむつ代8万円」。

 

――えっ、おむつに8万円!?

 

衝撃的な金額に「思わず、気絶するかと思った」と男性。気を取り直し施設に電話をすると、確かに8万円だという答えが返ってきました。

 

――でも、おむつに月8万円っておかしくないですか?

 

素直に疑問をぶつけてみると、思ってもみなかった母親の行動が明らかになりました。母親は事あるごとにおむつ替えを要求。

 

――えっ、汚れてないですよ

――いいの、何かイヤなの。だからお願い、かえて

 

「そんなに母は潔癖症だったのだろうか?」と疑問に感じつつ、とにかく、他の入居者と比べて10倍近くも紙おむつを使い、積もり積もって月8万円だというのです。確かに、一般で売られているおむつに比べると、ホームで定めている単価は高いと感じていました。それにしても……

 

母に事実を確かめると、何ら間違いはなく、「おむつ代月8万円」に偽りはありませんでした。

 

――もう少し我慢してよ。すぐにお金がなくなっちゃうよ

――イヤなものはイヤなの

 

譲らない母親。もう一度しっかりとシミュレーションをして対策を講じないと、まさかの「おむつ破産」が現実のものになってしまいます。

 

[参照]

株式会社Speee/ケアスル 介護『介護施設の費用に関するアンケート調査』