大事なのは「しょうがないなぁ(笑)」の「(笑)」という感覚

古今東西、どんな人格者でも、天才でも、美男美女でも、すべての人から愛された人は存在しません。 そもそも人間は、他者の短所を嫌うとは限りません。長所に対しても、誰かが必ず、何かしら文句をつけます。清廉で高潔なら「堅苦しい」とか、誠実でやさしいと「いい子ぶってる」とか、身なりがきちんとしていると「隙がなさすぎる」とか、イケメンだと「ナルシスト」だとか、美人だと「冷たそう」とか、チャーミングだと「あざとい」とか……。

そして、非の打ちどころのない完璧な人(が存在するかどうかわかりませんが)に対しては「完璧すぎてつまらない」と、どこかで誰かが、絶対に言います。

「どうすりゃいいの」と思いますが、どうしようもないのです。

「そういうもの」なのです。

そう考えると、「人って、しょうがないなぁ(笑)」という気持ちになりませんか?

皆さんに持っていただきたいのは、この「(笑)」の感覚です。

嫌われたくない、好かれたい、というのは、「期待している」状態です。

期待があると、それが外れたとき落胆し、傷つきますね。

期待と落胆の間を振り子のように揺れているとき、気持ちはシリアスになります。

対して、「しょうがないなぁ(笑)」は、そこから一歩、外に出た感覚です。

「どうしたって、何かしら文句をつけるんだから、もう知らない(笑)」

「いちいち、付き合っちゃいられないよ(笑)」

と、少し距離を取った「(笑)」が出たとき、期待は良い具合に「オフ」になるのです。どうでしょうか、できそうですか?

「人間全般で考えると、できるかも。でも、実際に自分が嫌われたら、そんなふうに笑えない」と感じるかもしれません。それは「誰から」嫌われたときを想定しているでしょうか? 嫌われたら本当に悲しい相手も、たしかにいるでしょう。

でも、嫌われてもさほどダメージのない相手もいるのではないでしょうか。その人たちを気にしなければつらさは半減、事によると8割減になるかもしれません。

「全員から好かれるのは不可能」だと言いましたが、皆さんもまた、周りの人全員を好きになることは不可能ですよね。嫌いな人や、苦手な人が、必ずいるはずです。

そういうわけで、次は「あなたが人に抱くネガティブ感情」に焦点を当てて、「本音」を掘り下げてみましょう。