脳の働きを活性化させ、集中力を高める「3つの栄養素」
「衣食住」という言葉があるように、「食事」はとても大事です。特に成長期のお子さんにとっては心身を育む基礎となるだけでなく、脳の働きにも大きな影響を与えます。
脳の働きを活性化させ、集中力を高める栄養素は主に3つあります。
①ブドウ糖
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源と考えられています。欠如しますと、集中力が低下したりやる気が出なくなったりします。勉強していると甘いものが食べたくなるのはこのためです。ブドウ糖は、ラムネや果物、パン類などに含まれています。
②鉄分
集中力を高めるには、脳に十分な酸素が行き渡ることも重要です。
鉄分が不足すると、体内に酸素を運ぶ血液の量が減り、脳も酸素不足になり、集中力が低下してしまいます。鉄分は、赤身の肉や魚、ホウレン草などに含まれていますが、ゴボウやイモ類、キノコ類などの非水溶性の食物繊維と一緒に摂ると吸収率が下がるともいわれていますので注意は必要です。
③DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHAは子どもの脳の発達に関わり、記憶力や集中力を高めることが知られています。受験生にとって必須な栄養素ですが、体内で作り出すことができないため、食事から摂る必要があります。
DHAは、サバやイワシなどの青魚や豚肉などに含まれていますが、気を付けないといけないのが調理法です。お刺身などの生を100%とすると、煮たり焼いたりすると約80%になり、揚げ物では半減してしまいます。
食事は1日に3回もあります。せっかくなので、栄養素のみを考えるのではなく、食べ比べをするなどして、食事そのものをメン活にしちゃいましょう。
受験生におススメの「メン活おやつ」5選
①チョコレート
チョコレートの原料であるカカオ豆に含まれる「カカオポリフェノール」には、脳の神経細胞の成長に関わり、学習能力や記憶力、認知機能を高める効果があるといわれています。ストレス軽減の効果があるGABA(ギャバ)入りや腸内環境を整えるオリゴ糖入りのものもあります。
②ガムやグミ
噛むという動作は、脳の働きを活性化させてくれます。
③バナナ
バナナには3種類の糖質が含まれていて、それぞれ吸収する時間が異なるため、脳の活性化する時間が持続します。
④アーモンド小魚
集中力を高める効果があるナッツ類と、カロリーが少なく「頭がよくなる栄養素」DHAやEPAを含む小魚のコラボで、さらに、どちらも噛み応えがありますので、噛むことによる脳の活性化も期待できます。小魚が苦手な場合は、アーモンドだけでもOKです。
⑤ココア
ココアに含まれる「フラバノール」というポリフェノールの一種の成分には、脳の血流を活発にし、集中力を高める役割があります。また、ココアにも覚醒効果はありますが、コーヒーやエナジードリンクよりも効き目が緩やかなので、過覚醒による不眠も起きにくいというメリットもあります。さらに、豆乳には脳の細胞を活性化させる「レシチン」が豊富に含まれていて、牛乳よりも低カロリーですので、ココアに豆乳を入れると一石二鳥(三鳥?)です。ダイエットをしている親御さんにもおススメですよ。
※試験当日に持って行くおやつも良かったら上記を参考にしてみてください。
真田 涼
RinDa臨床心理士ルーム 代表
臨床心理士・公認心理師、小説家
小児科にて発達健診や集団療育、保健所の心理判定員、行政の巡回相談員、幼稚園や保育園等でのストレスチェック、教育委員会委託講座などを行っている。著書に『受験精が来た!』(講談社青い鳥文庫)がある。