ほどほどウォーキングで大丈夫

日本初の歩数計が発売されたのは今から60 年ほど前でした。その当時、1週間に7万歩歩くと健康増進に役立つというハーバード大学の研究結果があり、それを元に、厚生省がキリのよい1日1万歩にして大々的な健康キャンペーンを行ったのが始まりで、歩数計も「万歩計」とネーミングされたことで「1日1万歩」が合言葉のように広まったようです。


ところが、それから60年たった今、「1日1万歩の運動量は多すぎる」という専門家の報告があり、これまで毎日1万歩をめざして歩いてきた健康志向の中高年にも少なからずショックを与えました。研究によると、「運動のしすぎはかえって逆効果で、健康効果がないどころか免疫力を下げるリスクがある」ということですから、「過ぎたるは及ばざるが如し」の諺どおり、歩けば歩くほど体にいいというのは、残念ながら間違いだったようです。


特にシニアの場合は、歳とともに関節や腰など弱い部分に痛みが出たり、無理なウォーキングで足の筋肉や靭帯を痛める場合がありますから、ある程度の年齢になったら、まずは自分の体をよくチェックして、きちんとメンテナンスする必要があります。


スポーツ医によれば、一説として「中高年の望ましい運動は1日合計8000歩程度のウォーキングと20分程度のストレッチや筋トレ」ということです。これを目標値としてあまり疲れない程度に体を動かせばいいでしょう。


若い頃からトレーニングを積んだアスリートならまだしも、歳をとってからハードな運動に励むと、骨折やねん挫などのリスクが高くなります。そのためにも、運動前後のストレッチは、ずぼらではなく、必ずやるようにしてください。