プチ瞑想で気分スッキリ

ひと昔前までは、瞑想というと禅宗のお坊さんやヨガの行者がするものというイメージがありましたが、近年アメリカでは「マインドフルネス」という新しいスタイルのヨガが登場。これがエリートビジネスマンや都会のインテリ層に受けて、一気に全米へと広まりました。当然のように、このトレンドは日本にも伝わって、東京など大都会ではいくつかのヨガジムがオープンして、人気を集めているようです。


この瞑想法がこんなに早く一般社会に浸透したのは、難しい理屈や厳しい修行抜きで心の平安や精神の安定が得られるところ。いわば、ヨガの「いいとこ取り」が受けたのです。それなら、「老後はプチずぼらモードで行こう」をコンセプトにしている本書で、おすすめしないわけにはいきません。気負わずにプチ瞑想にトライするなら、次のようなやり方がいいでしょう。


(1)畳や床の上であぐらをかき、背筋を伸ばします。


(2)座ったまま30回ほどゆっくり腹式呼吸をします(難しい人は胸式呼吸でOK)。最初に息を吐き切って、そのまま2~3秒息を止めてからお腹いっぱいに息を吸います。息を吸うときは自然に、吐くときはゆっくりと。


(3)両手はハスの花のような形にして両膝の上に置くか丹田(下腹)に置きます。


(4)体の力を抜いて目を半開きにし、意識を眉間のあたりに集中します。無理に「何も考えないようにしよう」と思うと、かえって雑念が湧いて集中できなくなるので、ぼんやりした気分でいましょう。もし、いろんな考えが湧いてきても「雑念があって当たり前」「気にしない気にしない」と、一休さんの心境でいきましょう。


(5)30分ほどして気持ちが落ち着いたら瞑想を終えます。ただし、時間は厳密に決めず、何十分でも好きなだけやればいいのです。


(6)最後に3回ほど大きく深呼吸してから思い切り背伸びをします。プチ瞑想を終えると、心が軽くなったりスッキリとした気分になったり、心と体がリラックスしていることに気づくでしょう。心身ともに固くなっている人は、ヨガの前後に5分ほどでいいので、ストレッチをすると一層効果的です。


最近は研究が進んだ結果、瞑想にはストレス性胃腸炎や頭痛、高血圧や不安障害などの精神障害、うつ病や自律神経失調症などに対して、改善効果があることがわかってきました。瞑想は何にでも効く万能薬ではありませんが、私たちに必要な「脳の休息」を確実に与えてくれる、最強のヒーリングです。


さらに最新の情報として、瞑想には記憶力を向上させる効果もあることがわかったのですから、高齢者には見逃せません。しばらく瞑想を続けていれば、素早く心が安定するようになって、パニックになるのも防げます。自然に心身を癒してくれる気軽な瞑想は、プチずぼら派としては見逃せませんね。