老後は病院の情報をどのように収集するといいのでしょうか? 精神科医の保坂隆氏は、による著書『精神科医が教える ずぼら老後の知恵袋』の中で「プチずぼら」を推奨しています。一体それはどんなことをすればいいのでしょうか? 具体的な方法を本書から紹介します。
待合室は情報収集できます
人間、年齢を重ねればどこかにガタがきますから、病気や体の不具合とは上手につきあっていかねばなりません。しかし、若い頃は「そのうち治るだろう」と楽観的に考えられたことも、歳を重ねると「もっと悪くなったらどうしよう」「本当にこの治療でいいのだろうか」などと、いらぬ心配をしがちですね。
くよくよ考えていても症状が良くなるわけでもなく、多くは取り越し苦労というケースもありますが、そんなときは、ぜひ病院の待合室をうまく利用したいもの。具体的には、知りたいと思っている情報を集めたり、「○○がつらいですよね」「どうやって痛みを紛らしていますか」など、愚痴をこぼしあう仲間づくりです。
とはいえ、待合室で隣に座った人に「何の病気ですか」「どんな薬をもらってますか」「どのくらい通っているんですか」などと立ち入った話をいきなりしてはいけません。これではまるで事情聴取でしょう。待合室でのそつのない話題といえば、病院のことがいいでしょう。たとえば、「今日は混んでますね」とか、「こちらの先生は、説明がわかりやすいと評判ですね」といった話です。
相手のリアクションがいまひとつの場合は、それ以上話しかけるのはやめ、もし話に乗ってくるようなら、徐々に自分の知りたい情報を話題にしてみましょう。今はインターネットを使えば、評判の病院を調べることもできますが、自分にとって良いかどうかは、いろいろな人の話を聞いた方が判断しやすいもの。
せっせとあちこちの病院に通うという手もありますが、そこはプチずぼら精神を発揮し、診察を待っている時間を利用して欲しい情報を集めましょう。実際、私の知り合いも、持病で通院している病院の待合室でよく顔を合わす人と仲良くなり、「鍼灸院なら○○がいい」「○○になったときは、▽▽先生がよく診てくれてよかった」「こんな体操をしたら、腰痛が改善された」などの情報をもらって、助かったと話していました。