掃除は時間をかけず省エネモードで

主婦にアンケートをして嫌いな家事を挙げてもらうと、1位になるのは、お風呂やトイレを含めた家の掃除です。その理由は、面倒なことや時間がかかること、キリがないことなどさまざまですが、高齢になるとそれに疲労感や肉体的な負担が加わって、ますます苦手になるという人が多いようです。


実際、子どもが育ち盛りの頃は家も汚れやすく、頻繁に掃除する必要がありますが、夫婦ふたりだけの暮らしともなれば、それほど汚れませんから家事負担はかなり軽減されるはずです。それでも高い場所に手を伸ばしたり、力を入れて汚れを落としたり、掃除自体の面倒さは変わらないので、歳をとった分だけ掃除に対するストレス感が大きくなるのかもしれません。


そこで、前より強く疲れを感じる年齢になったら、掃除ももう少し省エネの「プチずぼらモード」に切り替えてみてはどうでしょう。昔から「ホコリで死んだ人はいない」といわれますが、それほど神経質にならなければ、掃除も毎日ではなく、2、3日に一度で大丈夫。


むしろ、普段からまめに片づけをしたり、目立つゴミやホコリを粘着テープで取り除いたりしていれば、部屋もそれほど汚れた印象にはならないでしょう。


また、片付けをする順番によって、掃除の難易度も変わってきますから、そうした知恵を活かすのも方法です。家の片付けで大事なのは、片付けやすいものから難しいものへと順番にハードルを上げていくこと。苦手と感じる場所は人それぞれなので一概に「ここから順に」とはいえませんが、自分が手を付けやすいと思うところなら、どこからでもOKです。


ただし、効率のいい掃除のコツは、「上から下」「奥から手前」「外側から内側」のルールを守るのが基本です。ハウスダストが気になる人は、ホコリを立てずに掃除をすることを念頭に、天井や壁の上の方、照明器具、家具の上などのホコリをハンディモップなどで取り、最後に床の掃除をするようにしましょう。


さらに、掃除機の排気口からの風でホコリが巻き上がることもあるので、ホース部分を長く接続して、本体を野外に出して使えば安心です。できるだけリズムをつけてスピーディにやるのがお掃除短縮化のコツですが、実は掃除が嫌になる最大の原因は、途中でテンションが下がるからなのです。


だから、掃除時間をできるだけ短くして一気にやるのが最大のポイント。人が掃除に集中できるのは、せいぜい1時間くらいのもので、あまり長い時間がかかると、ストレスでどんどん元気がなくなってしまいます。


それより、疲れたと思ったら、「今日はもうやめ!」とずぼら宣言をして、掃除を放棄してみましょう。やめたところで誰も困るわけではありませんから、「ホコリで死んだ人はいないわよ」と、ニッコリ微笑む余裕があればいいのです。