白内障は水晶体が白く濁り視力が低下する病気で、原因もさまざまです。50代以降になると多くの人に症状が現れるなど、めずらしくない病気であることから、「白内障の手術は簡単」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、眼科医の窪田良氏は「決して簡単な手術ではない」といいます。本記事では、窪田氏の著書『近視は病気です』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、白内障の手術についての見解をご紹介します。
緑内障に気づくためには「定期検査」が重要
緑内障に気づくためにも大切なのは、定期検査です。眼圧検査をし、眼底写真を撮り、特殊な装置で視神経の細胞が減っていないかをチェックしてください。
こうしたスクリーニング検査で緑内障が疑われたら、次は視野検査を行い、視野欠損があるか確認して、最終的に緑内障かどうかを診断して治療方針を決めていきます。スクリーニング検査は健康診断に組み込まれていることが多いですが、そうでなくても眼科で精密検査をしてもらえます。
緑内障はとても特徴的な視野変化を起こすため、初期の段階から見つけることは可能です。視神経が少しでもダメージを受け続けている場合は、眼圧を下げる点眼薬が処方されます。
緑内障は遺伝的な要素が強く、家族歴がある方はなりやすいことがわかっています。また、正常眼圧緑内障はアジア人、特に日本人に多い病気だといわれます。そして、近視の人もリスクが高くなります。
世界で初めて緑内障の原因遺伝子を見つけたのは、幸運にも私でした。私の見つけた遺伝子の変異を持つ人は大変まれですが、非常に高い確率で若年性の緑内障になります。ただ、これは特殊な緑内障で、多くの緑内障は中高年以降に多い疾患です。
窪田 良
医師・医学博士