現行、65歳から受給開始となる日本の年金。なかには何もしなくても年金をもらえるようになると勘違しているケースも。年金を受け取る権利が発生したら、その権利を行使しないと年金はもらえません。しかも勧められるがままに手続きを進めたら、結果、損をしている、なんてことも。みていきましょう。
月収45万円「63歳10ヵ月」のサラリーマン…日本年金機構から届いた「緑色の封筒」に素直に従い「年金受給」で大後悔「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

受給権発生3ヵ月前に日本年金機構から届く「緑色の封筒」

――年金、いつになったらもらえるんですか?(65歳男性)

 

意外に多い、この手のギモン。「年金って65歳からもらえるって聞いていたけど……」と待てど暮らせど年金がもらえないと嘆いている人です。

 

老齢年金のうち、国民年金に由来する「老齢基礎年金」は10年以上の受給資格期間がある人であれば、65歳から受給できます。厚生年金に由来する「老齢厚生年金」は、老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金保険の被保険者期間があれば65歳から受給できます。さらに厚生年金保険の被保険者期間生年月日に応じて受給開始年齢が異なりますが、1年以上ある場合は、65歳になるまで「特別支給の老齢厚生年金」が受給できます。

 

年金開始年齢に達したら、老齢年金を受け取ることのできる「受給権」が発生します。

 

――65歳から年金がもらえるんでしょ。なのに、もらえていないのはなぜ?

 

と焦る人もいるでしょうが、年金の受給権が発生したからといって、年金が手にできるわけではありません。きちんと手続き=行使しなければ、年金を手にできるはずがないのです。

 

受給開始年齢に達し、老齢年金の受給権が発生する人には、受給開始年齢に到達する3ヵ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書」が届きます。宛先は日本年金機構。通常であれば緑色の封筒に入っているはずです。

 

令和6年に発送される人は、年金の加入期間が10年以上あり、厚生年金と共済組合の加入期間があわせて1年以上ある「64歳になる男性(昭和35年4月2日から昭和36年4月1日生まれ)」。また、年金の加入期間が10年以上あり、厚生年金と共済組合の加入期間が1年未満の「老齢基礎年金を受け取る権利が発生する人」は、受給開始年齢である65歳に到達する3ヵ月前に、「年金請求書(事前送付用)」が届きます。

 

――緑色の封筒? そんなの見てないね

 

受給権が発生するはずなのに、本当に日本年金機構から通知が届いていないなら、事故ということも考えられます。一度、問い合わせるのがいいでしょう。