年齢と共に給与が上がっていくサラリーマン。ただなんでもピークがあるように、通常、定年を機に大きく給与は減少します。なかには「給与減に耐えられない!」というケースも。そこで活用したいサポート制度も。ところが、しっかりと制度の内容を理解していないと、実は損をしていることに気付かない場合も。みていきましょう。
年金含めて月32万円・60歳の再雇用サラリーマン、給与大幅減も余裕の笑みだったが…日本年金機構からの手紙で知る「年金支給停止」の驚愕事実に涙 (※写真はイメージです/PIXTA)

60歳定年で正社員→非正規社員で年収4割減

厚生労働省の調査によると、サラリーマンの給与は年齢と共に上昇。50歳後半で月収44.0万円、賞与も含めた年収が725.5万円とピークに達しますが、多くのサラリーマンが定年となる60歳を境に、給与は、月収で15%、年収で20%ほど減少します。

 

これは60歳以降も正社員として働いた場合。定年を迎えた社員の多くは、再雇用で契約社員や嘱託社員などといった非正社員に。その場合、月収は28.5万円、年収434.4万円となり、定年前と比べて、月収では35%、年収では40%も減少することになります。

 

【年齢別「サラリーマン」の平均給与】

20~24歳:232,200円/3,594,700円

25~29歳:271,400円/4,497,500円

30~34歳:307,000円/5,167,200円

35~39歳:344,800円/5,807,500円

40~44歳:380,200円/6,313,200円

45~49歳:406,400円/6,709,000円

50~54歳:428,300円/7,072,400円

55~59歳:440,800円/7,255,400円

60~64歳:372,400円/5,715,100円

※数値左より月収/年収

 

大きく給与減となれば、支障をきたすケースも。そんな60歳定年を境に給与減で嘆く人たちをサポートしてくれるのが「高年齢雇用継続給付金」。これは60歳以上65歳未満の会社員に支給される給付金で、60歳到達時点とそれ以降の収入を比較し、60歳到達時点の75%未満となっていた場合に支給されます。

 

【高年齢雇用継続基本給付金の支給条件】

●失業保険による基本手当や再就職手当を受給していない

●60歳時点と60歳以降の賃金を比較した際に、75%未満に低下している

●60歳以上65歳未満で雇用保険の一般被保険者である

●雇用保険の被保険者期間が5年以上ある(60歳以前の通算)

 

支給額は、ひと月ごとの「賃金の低下率(60歳到達時点の賃金と現在の賃金にどの程度の差があるかを示したもの)」に応じて算出。低下率は「支給対象月の賃金額÷60歳到達前の6ヵ月間の平均賃金額×100」で計算します。

 

賃金の低下率が61%以下の場合、支給額は支給対象月の賃金の15%。61%~75%未満の場合は計算が少々複雑となり、結果だけいうと、65%で10.05%、70%で4.67%です