期待値に収束させるにはトレードに一貫性を持たせる
トレードにおける一貫性とは、エントリーからイグジットまで、判断が矛盾しないことです。たとえばAという判断でエントリーしたら、イグジットもAですべきです。1分足スキャルピングで、エンベロープのゾーン①とテクニカル分析のレジスタンスラインが同時にあたって、ショートエントリーをしたとします。仮に逆行したとき、本来ならすぐに損切りすべきです。しかし、「今日は上がりすぎたから、待っていれば下げてくるだろう」「ナンピンすればいずれ戻るだろう」というような考えに支配されてしまうと、エントリー時点の根拠とはまったく変わっています。
これは、損切りしたくない理由を都合よくあてはめているだけです。エントリーしたときの損切り基準は、逆行したら数pipsで損切りすることでした。実際に逆行したら損切りしなければなりません。エントリーしてから根拠をコロコロ変えるようでは一貫性がなく、期待値に収束させることはできません。
1回のトレードは瞬間ではなく一連の作業
スキャルピングは数秒から数十秒でトレードが完結します。超短期売買だからといって、判断も「その場限り」になるのではなく、「一連」の作業になります。トレードは、ポジションを持っているときだけがトレードではありません。エントリーする前の、戦略を立てるときからすでにスタートしています。そして、タイミングをはかってエントリーし、イグジットしてはじめて1回のトレードが終了します。
スキャルピングなら、エンベロープのゾーンに到達する前から、トレードははじまっているということです。ゾーン①に入ってすぐエントリーするのか、それとも節目をブレイクしそうだから様子見をするのかなど、サインが出る前からチェックすべきことはたくさんあります。サインが出たから入りました、負けました、これではいつまでたっても上手になりません。サインが出る前の分析が考慮されていないからです。
トレードは事前準備で9割決まる!
トレードはエントリー前からスタートしていて、勝敗はエントリー前に9割の確率で決まっていると私は考えています。エントリーしてからトレードがスタートするのではなく、エントリーした時点で、トレードはほとんど終わっているということです。
勝てるトレーダーは、その1回のエントリーをするために、チャート分析をして戦略を立て、自信を持って、ようやくポジションを持ちます。ポジションを取るまでに労力を割いているということです。一方、勝てないトレーダーは、エントリーするまでに労力を使わず、ロクに分析もしません。
そして、エントリーしてから右往左往し、含み損を抱えて心臓が締めつけられる思いでポジションを凝視します。こうなると、エントリーの根拠など、どうでもよくなっているでしょう。労力を使う場所を間違えています。
エントリー後に労力を使うのではなく、エントリー前にしっかり分析をして戦略を立てるようにしましょう。考え抜いたうえでエントリーするからこそ、根拠がブレず、利食いも損切りも淡々と行なえるのです。
ぶせな
FX専業トレーダー