FXにおいて「冷静さを失ったときのトレードほど危険なことはない」と、FX専業トレーダーであるぶせな氏はいいます。冷静さを欠くことなく「大損」を避ける術とは? ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より見ていきましょう。
スキルの問題ではない…トレーダーが勝てなくなる「根本原因」【FX専業14年目の億トレーダーが助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

失敗して自暴自棄になることだけは避けよう

「守りの資金管理」が我が身を助ける

これだけは絶対にやってはいけない、というものがあるとしたら、自暴自棄になることです。これは、私の経験上最も後悔する行動です。

 

私がリーマンショックでほとんどの財産を失ったのも、自暴自棄になり無限ナンピンをした結果です。幸い、再起してからは「守りの資金管理」をしっかり行なっているので、たとえ一度大損しようがそれほど痛手はありません。冷静に戻ったとき、もし全財産をかけてナンピンしていたら終わっていたな、と考えることがあります。

 

「守りの資金管理」のおかげで助けられたことが何度もあります。資金管理をしているために、そこまで自暴自棄にならないのかもしれません。どちらにしても、やけっぱちになることだけはやめましょう。俗にいう、キレるという行為です。FXにおいて、冷静さを失ったときのトレードほど危険なことはありません。

 

キレて大ロットでエントリーしたり、ナンピンしたりしてはいけません。ここで仮に取り返せてしまったとしても、こうすればいいのだと記憶されてしまい、次も同じ行動を取ります。そしていつかは退場させられてしまいます。

 

自分1人だけだと、周りが見えなくなる

自暴自棄になる要因として、トレードが個人プレーである点が挙げられます。機関投資家のディーラーのように組織で売買するわけではなく、個人投資家はすべて自分の判断で売買しなければなりません。上司が見ているわけでもなく、誰かに指示されることもありません。そうなると、何が正しくて何が間違っているのか、指摘できるのは自分だけです。レールを外れたことに気づかないと、そのまま進んでしまうので取り返しのつかないことになります。

 

また、FXという不確実性の高い市場で、資産変動が激しい取引をするので、冷静に判断できなくなるのは自明です。自分ではレールを外れていることに気づきにくいものです。そのため、パニック状態はいいすぎですが、メンタルを崩すことなどかんたんでしょう。会社の仕事でパニックになることはありませんよね。しかし、同じことをやっていても、ひとたび自分1人だけで判断しなければならなくなると、周りが見えなくなるものです。孤独だからこそ、自暴自棄になりやすいという点は覚えておきましょう。