FXにおいて、リスクは避けたいもの。FX専業トレーダーであるぶせな氏が提唱する「守りの資金管理」とはどのようなものなのでしょうか。ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より、自分の資産を守る、資金管理の方法について詳しく見ていきましょう。
リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは (※写真はイメージです/PIXTA)

「1日に〇%負けたらその日はトレードしない」は正解?

資金管理には、攻める資金管理もあれば、資産を守るための管理方法もあります。ここでは、守りの資金管理の考え方を見ていきます。

 

たとえば、「運用資金の5%負けたらその日はトレードをやめる」というような資金管理方法を聞いたことがあるでしょうか。1日の負け額を増やさないためには、たしかに核心をついたルールです。しかし、人によってロット数や経験も、資産に対する運用資金も違います。

 

また、スキャルピングなのか、スイングトレードなのか、トレード手法も違いますし、そもそも5%という数値が正しいのかという疑問もわいてきます。ある人は、資金の3%も一度に負けたら、その後のトレードに恐怖を感じて躊躇するかもしれません。逆に、10%くらい減ったとしても、リスクとして受け入れてヘッチャラな人がいるかもしれません。その人の状況およびリスクのとらえ方により、正しいかどうか判断が分かれるところがあるのです。

 

このような、「1日に〇%負けたらその日はトレードしない」というルールは間違っているとは思いませんが、正しいとも思いません。もし、その日のトレードをやめてしまったら、そのあと大きなチャンスがあってもトレードできません。スキャルピングは数をこなすことで期待値に収束していきます。「アジア時間で〇%負けたから、欧州とニューヨーク時間のトレードをやめる」となると、数をこなすことができなくなり、必要な経験を積むまでに時間がかかってしまいます。

 

ですから、ロット数や損切り幅で資金管理をすべきかもしれません。資金に対して、1回の負け額が大きいからこそ、資金に対する損失割合が多くなっているのです。また、そもそも「〇%負けたら……」というのは、相場とは無関係なので、自分の負けの都合を相場にあてはめているだけにすぎません。ただ、大損しないために、このような決めごとを持つことはいいことだと思います。自分の財産なので、どんな資金管理方法がいいかは、自身で考えることが何よりも大切です。