短時間で取引を行うFXの手法「スキャルピング」。なぜ、短時間で大きな利益を上げることができるのか、スキルアップのために必要な仕組みをみていきましょう。FX専業トレーダーである、ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より詳しく解説します。
超短期売買で利益を上げる〈スキャルピング〉だが…「1分足以外は見ない」手法が、FX初心者にとって“危険”なワケ【カリスマFXトレーダーが助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

最も利益が早く積み上がるトレードスタイル

スキャルピングは、一度コツをつかむと短期間でものすごい利益を出せるようになる手法です。なんといってもこれが最大の魅力です。1回の獲得pipsは少ないのですが、取引枚数を上げるとそれに応じて1回の利益額は増えます。そして、取引回数の多さがさらに資産増加を加速させます。いずれ、枚数を増やして何度もサクサクと利益を取るようなイメージだと考えてください。

 

私が1回のトレードで得る利益は、数千円から、多くても数万円です。しかし、数万円の利益を毎回得ているのではありません。相場次第では、数秒から数分で10万円以上の利益になることはありますが、それは大相場のときなどです。取引の多くは1回数千円の利益です。「たったそれだけ?」と感じるかもしれません。

 

しかし、1回の取引で得る利益は少なくても、それを毎日繰り返していくと、月単位で数百回、多い月では数千回にも及びます。仮に、1回の取引利益が5,000円だとしても、100回勝てば50万円、1,000回勝てば500万円にもなります。毎月の取引回数を考えれば、1回数千円の利益でも十分なのです。

 

このように、取引回数が多いため、利益が早く積み上がるのがスキャルピングです。1回の利益は少ないとはいえ、一般社会では1分足らずで5,000円を稼ぐことは不可能です。その意味では、やはり特殊な世界といえます(逆に損することもあるので真剣に取り組みます)。

 

トレードの期待値がすぐに結果となってあらわれる

スキャルピングは数秒から数分で、トレード結果がすぐにわかります。そのため、トレード手法に期待値があるかどうか、短い期間で検証することができます。1,000回のトレードを行なうのに、スキャルピングなら数ヵ月あればできるでしょう。相場次第では1ヵ月かからないときもあります。しかし、デイトレードやスイングトレードだと、1,000回トレードしようとするとかなりの期間がかかります。スイングトレードだと1年は超えるでしょう。

 

スキャルピングは、検証に必要な量を短期間でこなすことができます。そのやり方がダメなら次のやり方をすぐに試すことができ、よいものはもっと伸ばすという判断を短期間で行なうことができるのです。

 

たとえば、コインを投げて裏と表のどちらが出るかを検証するとします。一時的に裏、もしくは表の出る回数が偏るかもしれません。しかし、投げれば投げるほど、表と裏の出る確率は限りなく2分の1に近づきます。これは「大数の法則」というもので、トレードにもあてはまります。

 

500回、1,000回とトレードすれば、結果は期待値に収束していきます。この期待値がプラスであることが不可欠ですが、そうか否かを知るためには検証結果が早くわかるほど、時間的に有利なのです。FXをやっている人は本業を持っている人が多いかと思います。できれば時間をかけずに、たしかな手法を検証できるようになれば理想的です。

 

取引回数の多さはチャンスの多さ

期待値がプラスであれば、取引回数はチャンスの数になります。1,000回トレードを行なえば、1,000回のチャンスがあることになります。毎日チャンスがあれば、それを逃すわけにはいきません。期待値が高いやり方を構築しているので、やればやるほどトータルでは利益になるのです。「専業トレーダーになって毎日チャンスを手にしたい」、この考えが強くなり、私は専業トレーダーになりました。

 

数pipsを取るのが目的のトレード手法

スキャルピングの目的は、「トレードを短時間で完結させる」ことではありません。1~5pipsといった薄い利幅を狙う結果、必然的にトレード時間が短くなる、という理解が正しいでしょう。

 

たとえば3pipsを取るのに10秒もかからないときがある一方で、相場が膠着していると15分かかるときもあります。どちらも目的である3pipsを取って勝ちトレードになります。10秒しかかからないからスキャルピング、15分もかかったからスキャルピングではない、と決めるのはあまり意味がありません。

 

また、スキャルピングといってもやり方はたくさんあります。ですから、それが何秒か何分か、そして何pips取れるかは時と場合によります。スキャルピングはこうあるべきだ、という固執した考えを持ってしまうと、視野の狭いトレードになってしまいます。いつも同じようなやり方が通用するわけではなく、利幅やホールド時間はまちまちでしょう。むしろ、相場によって使い分けることができるようになってください。

 

とはいえ、スキャルピングは超短時間のトレードです。数pipsのトレードを繰り返し実践し、爆発的に資金を増加させるイメージを持っていってください。

 

 

ぶせな
FX専業トレーダー