疲労回復に欠かせない睡眠。入浴のタイミングによって、その質を向上させることができるといいます。温泉療法専門医である早坂信哉氏の著書『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)より、睡眠の質を上げるために知っておきたい入浴の仕方について、詳しくみていきましょう。
「お風呂で体を温めるとよく眠れる」は間違い?…良質の睡眠をとるために知っておきたい、入浴と睡眠の〈本当の関係〉【専門家が解説】
睡眠の質がアップする「深く眠れる入浴法」
疲れをとるために最も重要なのは睡眠です。睡眠は、副交感神経を優位にして体を休ませ、日中に消耗した器官の修復や、新たなエネルギーを貯蔵するための大切な時間。
当然、お風呂だけでは疲れはとれません。「しっかりお風呂に入ったけれど、睡眠時間は3時間」では、せっかくのお風呂の健康効果も意味がなくなってしまいます。お風呂には睡眠の質を格段にアップさせる効果もあるのです。
ここからは、ぐっすり眠って気持ちのよい朝を迎えるための入浴法について説明いたします。
①「副交感神経優位」に切り替えておく
睡眠の質を高める入浴法、まず大事なのは「自律神経のスイッチを、副交感神経に切り替えること」です。
体が興奮状態のままでは、ゆっくりとリラックスして体を休めることができません。「ベッドに入ったあとも目がさえてしまって入眠までに時間がかかる」という方もいるかと思いますが、おそらく、うまく副交感神経優位の状態に切り替えられなかったのでしょう。
「次の日に就職活動の面接があるのに、全然眠れない!」といったケースも、同じ状態かと思います。