“最後かもしれない旅行”も恐れずに実行

70代、80代ともなると、「これが最後の旅行になるかもしれない」と思って旅に出る人が少なくありません。特に海外旅行の場合、そう思って行かれる人が多いのではないでしょうか。

コロナのパンデミック(世界的大流行)で、2020年、2021年は行きたくても行けなかったわけですし、今後も何があるかわからないので、「最後の海外旅行」という意味合いはますます強まっていくと思います。

しかし、これも子どもにはなかなか受け入れてもらえません。「俺は老い先短いんだから、海外に行かせてくれ」と懇願しても、「旅先で何があるかわからない」などと反対されるでしょう。

海外での事故や病気の心配をしているのはウソではないかもしれませんが、海外旅行は金額が大きいですから、それが惜しくて子どもたちは反対しているのかもしれません。それでも「行く」と言えば、やっぱり老害と言われるのでしょう。

でも子どもに老害と言われることをいちいち気にしていたら、行きたい場所に自由に行くこともできません。

何度もいいますが、子どもたちから、老害と言われることを恐れてはいけません。生きている間に、どうしてもこの目で見てみたい場所があったら、行ってみましょう。

万が一、旅先で亡くなったとしても、海外旅行保険に入っていくのですから、子どもたちに金銭的な迷惑をかけることもありません。


和田 秀樹
精神科医
ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表