AIを使った新しい技術やサービスに関するニュースが毎日のように流れる今、実は私たちの社会や生活にどう関わってくるのかピンとこない人も少なくないのでは? まさに“AIブーム”と呼べる状況ですが、中国をはじめとする国際的なテック事情に詳しいジャーナリスト・高口康太氏はその本質は「ユーザーインターフェースの大転換」にあると言います。一体、どういうことなのか中国の事例を交えて紹介します。
AIブームの本命は「UI革命」にある…AIは私たちの社会、生活にどのような変革をもたらすのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

AIによって私たちの生活はどう変わるのか?

簡単な指示を与えるだけでハイクオリティな動画が作られ、画像を読み込ませるとその画像に何が映っているのか解説してくれる、あるいは分厚い本の要約をあっという間に作りあげる……次々と発表されるAIの新機能に驚く一方で、自分の生活や仕事がどう変わるのか、具体的なイメージがどうもわかないという人は多いのではないでしょうか。

 

これはAIには限らず、新技術の台頭ではよくある話です。新しい技術が注目を集め、「なにかすごいことが起きそうだぞ」と騒がれ、しかし現実社会での活用はいまいち進まず幻滅される。ほとぼりが冷めたころにその技術は次第に社会に普及していく(ただし、最初に想定されたのとはちょっと別の形になっているかもしれません)。

 

俗に「ハイプサイクル」と言われますが、多くの新技術は誕生から普及にかけてこのような展開をたどります。

 

というわけで今のAIブームにも必ず幻滅期があり、期待していたような形では普及しない可能性は大きいでしょう。ただ、現時点でかなり確度が高い、AIの定着を予測するならば、それは「ユーザーインターフェースの大転換」ではないでしょうか。

 

今や仕事にも生活にも欠かせない存在となったコンピューターですが、キーボードからマウス、そして持ち運べるコンピューターであるスマートフォンではタッチパネルとユーザーインターフェース(ユーザーと製品やサービスの接点)は大きく転換してきました。

 

AIによって、チャット型の文字入力や音声入力というユーザーインターフェースに変わることが予想されています。