日本における「AI開発」の将来的な展望
日本でもこうしたAIの開発が進むことは間違いありません。世界的大企業がくり広げる最先端AIの開発競争に日本企業が追いつくのは難しくとも、各種のサービスや生活シーンに導入できるニッチなAIの開発は十分に可能だからです。AIがもたらすユーザーインターフェース転換は日本への到来もさほど遠くはないのではないと期待しています。
ユーザーインターフェースの歴史を振り返ると、転換のたびに操作のハードルが下がっていることがわかります。プログラミングが必須の時代にはまず勉強から始めないといけませんでしたが、マウスを使ったグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)ではぽちぽちしているうちになんとなく使えるようになったという人が大半に。
タッチパネルのスマートフォンはさらに直感的です。チャットと音声入力の時代になると、より多くの人がコンピューターの機能を使えるようになりますし、すでに使っている人もより難しくて使いづらかった機能やサービスを使えるようになるのではないでしょうか。
<プロフィール>
高口 康太
ジャーナリスト、千葉大学客員准教授。2008年北京五輪直前の「沸騰中国経済」にあてられ、中国経済にのめりこみ、企業、社会、在日中国人社会を中心に取材、執筆を仕事に。クローズアップ現代」「日曜討論」などテレビ出演多数。主な著書に『幸福な監視国家・中国』(NHK出版、梶谷懐氏との共著)、『プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション』(KADOKAWA、高須正和氏との共編)で大平正芳記念賞特別賞を受賞。