ここ数年、急激に高価格化が進んでいるドライヤー。値段が高くても、毎日使うものだけに違いが出ると考えられ、「高くてもその価値はある」と購入する人が多いのです。では近年の高級ドライヤーには、どのような機能が搭載されているのでしょうか。時代のニーズに合わせて進化を遂げる最新ドライヤー事情についてご紹介します。
高価格&多様化するドライヤーは“ヘアケアできる美容家電”という新境地へ (※写真はイメージです/PIXTA)

独自のイオンを発生させることで美髪を実現

シャープの「プラズマクラスタードレープフロードライヤー(IB-WX901)」は4つの穴から風を吹き出し、髪を揺らしながら乾かす独自技術で速乾を実現(筆者撮影)
シャープの「プラズマクラスタードレープフロードライヤー(IB-WX901)」は4つの穴から風を吹き出し、髪を揺らしながら乾かす独自技術で速乾を実現(筆者撮影)

 

ドライヤーの中には、マイナスイオンを搭載したものが多くあります。髪はプラスの静電気を帯電しやすい性質があるため、マイナスイオンを与えると中和され、静電気を抑えて髪の広がりや摩擦を防ぐ効果が期待できるのです。

 

さらにマイナスイオンを与え続けると、髪がマイナスに帯電し、今度はマイナス同士で反発してしまうとの考えから、プラスイオンとマイナスイオンを発生させるものもあります。

 

パナソニックとシャープは、独自のイオンを発生させることで、髪の水分量をアップさせるほか、さらなる美髪効果を訴求しています。パナソニックのヘアケアドライヤー「ナノケア(EH-NA0J)」(実勢価格38,610円)が発生させる「高浸透ナノイー」は、水分発生量が従来のナノイーの18倍となり、毛髪水分増加量が1.9倍に。

 

またシャープの「プラズマクラスタードレープフロードライヤー(IB-WX901)」(実勢価格44,000円)も、水分をたっぷり含む「プラズマクラスターイオン」が髪をコーティングし、しっとりした髪に導くとしています。いずれもキューティクルが保護されることから、ヘアカラーの退色を抑える効果も期待できます。

形も小型ヘッド、コンパクトスリムで扱いやすく変化

A-Stage「Re・De Hairdry DR01A」は折りたたむとバトンのようにスリムに。スタンドは収納時だけでなく、ハンズフリーで髪を乾かしたい時にも(筆者撮影)
A-Stage「Re・De Hairdry DR01A」は折りたたむとバトンのようにスリムに。スタンドは収納時だけでなく、ハンズフリーで髪を乾かしたい時にも(筆者撮影)

 

従来のドライヤーは長いヘッドの後方にモーターやファンが搭載された、いわゆるピストル型と呼ばれる形状が一般的でした。

 

この形状で大風量化を目指すとモーターやファンを大きくする必要があり、よりヘッドに重量がかかります。そのためヘッドがふらつきやすくなるため手首に力を入れたり、ヘッドが長いぶん腕を高く上げなければならず、疲れやすいといったデメリットも。

 

そんな中、ダイソンはハンドル部にモーターを内蔵することでヘッドが短い形状を実現し、取りまわしやすさの重要性が注目され、今ではヘッドが短いドライヤーも珍しくなくなっています。

 

一方で、ここ数年増えているのが、スリムかつコンパクトなドライヤーです。従来の大風量ドライヤーの中には600g以上のものもありましたが、2022年に発売されたA-Stage「Re・De Hairdry DR01A」(実勢価格29,700円)は、大風量ながら本体重量はわずか255g。またウィナーズ「FESTINO(フェスティノ)」から登場した「ツヤモイスト ドライヤー SMHB-029」(実勢価格25,300円)も重量270gしかありません。

 

これらはヘッドが長くても軽いため、腕への負担を大幅に軽減。気になる風量も、ブラシレスDCモーターなどの高性能モーターや風量・風圧を増幅する内部設計により、コンパクトでもパワフルな風を実現しています。