2025年には市場の4割以上が高価格製品に
ほかにも髪が高温にさらされるとダメージを受けることから、温度センサーを搭載し、過加熱になる前に自動制御するものや、遠赤外線を搭載し、髪を内側から温めて速乾を促すもの、温風と同時に美容液ミストを噴霧して髪をコーティングするものなど、様々なアプローチでヘアケアするドライヤーが登場。
さらに美容家電メーカーのヤーマンは、ドライヤーに音波タッピング機能を搭載し、頭皮はもちろん顔のリフトケアもできる「リフトドライヤー」を発売するなど、いまやドライヤーはヘアケアできる美容家電としての位置付けを色濃くしています。
実際、富士経済が2024年1月に発表したレポート(※)によると、ヘアドライヤーは2023年、前年比31.8%増と大幅な伸びが見込まれており、販売金額は200億円を超えると予想。
中でも単価3万円以上の高価格帯製品の比率が上昇するとみられるとしているとしています。今後は、さらに差別化が進み、ヘアケア機能の向上など高機能化を進めていくとし、2025年には市場の4割以上を高価格帯製品が占めると予想しています。
付加機能を比較しつつ店頭で触って体感を
以上のようにドライヤーは年々高価格化していますが、高いのにはそれなりの理由があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
一方でメーカーによって機能が異なるため、何を選んだらいいか迷ってしまうかもしれませんが、ヘアケアの基本は、髪を傷めないことと、髪を守ることの二本柱。髪を傷めないためには、低温かつ大風量・大風圧のドライヤーで速乾させるといいでしょう。また、過加熱にならないセンサー制御してくれるものもおすすめです。
そして、髪を守るためには、水分子を含むイオンや美容液ミストで髪をコーティングしたり、遠赤外線を発生させるもので、プラスアルファのケアができるのもいいと思います。
ただし値段が高ければ高いほど高性能とは限りませんので、あまりに高いものは、高い理由が納得できるものであるか確認を。また家電量販店や美容室で販売しているものは、実際に手に持って重量感やバランスを確かめてみると安心です。
〈著者〉
田中真紀子
家電ライター。早稲田大学卒業後、損害保険会社を経て、地域情報紙に転職。
その後フリーとなり、住まいや家事など暮らしにまつわる記事を幅広く執筆。
出産を経て、子育てと仕事の両立に悩む中、家事をラクにしてくれる白物家電、エステに行けなくても自宅美容できる美容家電に魅了され、家電専門ライターに。現在は雑誌、webにて執筆するほか、専門家として記事監修、企業コンサルタント、アドバイザー業務もこなし、テレビ・ラジオ出演も多数こなす。
これまで執筆や監修に携わった家電数は1000近くに及び、自宅でも常に多数の最新家電を使用しながら、生活者目線で情報を発信している。
公式サイト:https://makiko-beautifullife.com/