※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
20年以上の歳月をかけて生まれた “ルビー色”のキウイフルーツ
まずは海外産果物の話からはじめていきましょう。ニュージーランドの名産品であるキウイフルーツ、ひと昔前はグリーンが定番でしたが、最近では黄色や赤色が登場しているのをご存じでしょうか? 最も新しい品種として「ゼスプリ・ルビーレッド」という赤い果肉のキウイが2020年から日本での販売が始まっています。
この赤い果肉は、ビジュアル面だけの美しさだけではありません。生活者の嗜好に合わせ、20年以上の歳月をかけて生まれた希少種。風味はベリーのような上品な甘さが特長で、栄養面では女性に嬉しいアントシアニンやビタミンCが豊富に含まれています。
ゼスプリでは国の研究機関と一緒に研究を進めることで、品種改良だけにとどまらない生産技術の開発や果樹園の管理、市場拡大などを進めています。
また技術の側面においては、キウイを病気や害虫から守るため、土や葉を採集してデータを集め、翌年度の対策を実施。一部の果樹園にはウェザーステーション(気象観測器)を設置して風・気候・湿度などをモニタリングし、潅水自動システムにより作業を効率化しています。
キウイフルーツはニュージーランドの果物・野菜の輸出の55%を占めています。(2022年7月1日~2023年6月30日)、多くの人々が携わる農産業に成長。世界50カ国以上に広く提供されるシステムが確立されています。それでは次に日本の事例を見ていくことにしましょう。