家庭裁判所にもちこまれる「相続争い」…その1/3は「遺産総額1,000万円以下」
遺言書がない遺産分割では、相続人全員で遺産分割協議を行い、全員の合意が必要になります。
遺産分割において基準になるのが「法定相続分」。民法が定める相続分で、「①子と配偶者が相続人」なら、相続分はそれぞれ1/2。子が複数人いるときは、1/2をさらに人数分で等分します。「②配偶者と直系尊属(父母、祖父母等)が相続人」なら、配偶者が2/3、直系尊属が1/3。直系尊属が複数人いるときは、1/3を人数で等分します。「③配偶者と兄弟姉妹が相続人」の場合、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4。兄弟姉妹が複数人いるときは、1/4を人数分で等分します。
前出の女性のケースでは、子の数で遺産を等分すれば良い、という単純な話。ただお金は人を変えるもの。「1円でも多く遺産がほしい」と、仲の良かった家族でも揉めることは珍しくありません。そこで遺産分割協議がまとまらないと、家庭裁判所に遺産分割の調停、または審判の申し立てをすることになります。
裁判所『令和4年 司法統計』によると、家庭裁判所が取り扱った遺産分割事件は、2022年の1年間で1万2,981件。そのうち調整が成立したのが6,857件。そして遺産総額1,000万円以下が2,296件。1/3を占めています。相続争いというと、お金持ちの家庭で起こることと考えがちですが、実際は一般の家庭でも多く発生しています。
[参考資料]
株式会社Clamppy/「STEP債務整理」『夫に内緒で借金をしたことがある主婦へのアンケート』