子どもに年収を聞かれたとき、親は何と答えていいのか戸惑ってしまうものでしょう。しかし、子どもがお金に興味を持つ大切な時期であれば、ついつい金額をごまかしたり、回答を断ったりしないほうがよいかもしれません。本記事では、FPオフィス ライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏の著書『FPママの親と子で学ぶお金のABC:13歳からのマネーのレッスン本!』(河出書房新社)から、中学生の子どもに年収を聞かれた際の答え方について解説します。
一瞬ひるむ、子どもからの質問「うちって年収いくらなの?」→FPママによる“さすがの回答” ※画像はイメージです/PIXTA

子どもに学んでほしい点は…

親が働いて月にいくらもらっているか、気になる人もいるよね。大人になったら、収入のなかから、家族みんなが生活できるように、住居費や食費、水道や電気代などを支払うよ。働いて得た収入から、まずは税金や社会保険料を負担する。そして、手取り収入の範囲内で生活していくことが大切。 

 

じつは生活していくのに必要なのは、お金だけではないよ。毎日の食事の支度、部屋のお掃除、洗濯も欠かせないこと。外で働いてお金を稼ぐことは中学生にはできないことだけど、家のなかの仕事は、ぜひとも家族みんなでシェアしてね。

おうちの方へ、アドバイス…

子どもに年収を聞かれたら、どう答えますか? 「そんなこと聞くもんじゃない」とか「子どもはお金の心配なんかしなくてもいい」と、頭ごなしに回答を拒否するのは、やめましょう。

 

なぜなら、そういわれた子どもは「お金の話はしてはいけない」「家族でもタブーな話題だ」と勘違()いしてしまうかもしれないからです。子どもが中学生くらいになったら、ある程度はオープンにしてもいいのではないでしょうか。

 

わが家は父親と母親の手取り月収、そして、その範囲内で生活できていることを伝えています。実際の生活にはいくら収入が必要なのか、金銭感覚を身につけてほしいとの考えからです。 

 

そして中学生は、税金や社会保険料の負担についても伝えたほうがいい時期だと思います。大人になる前に、簡単ではありますが、給与から負担しなくてはならないお金があること、その理由をおおまかに伝えました。 

 

年収についてくわしく伝えるかどうかは、まだ早いかな?と思い、ボーナスなど、わりと変動が大きいものの金額は伝えていません。ボーナスが出たら、帰省や旅行、そしてクリスマスプレゼントなどの特別な支出をすることは伝えています。

 

 

山内 真由美

FPオフィス ライフ&キャリアデザイン

代表

ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント