社会人1年目のフレッシュな新人が入社してきて、ちょっと先輩風を吹かせている人もいるのでは。社会人を1年間やってきたから、会社のこと、世の中のこと、色々と分かってきたという人が多いなか、お金のこととなると、まだ現実が見えてきていないようです。社会人2年目、理想と現実とのギャップをみていきます。
30歳時点の目標年収〈平均705万円〉だったが…現実とのギャップに〈サラリーマン2年目〉呆然自失「もう働くのが嫌になりました」

30歳になった自分は年収705万円!夢膨らむ社会人2年目だが…

社会人2年目というと、1年目のころよりも会社への理解も進み、思考もより現実的になってくる頃ですが、実際はどうなのでしょうか。お金まわりのことについて、理想と現実を比較してみましょう。

 

まずは貯蓄について。

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、30代の貯蓄額の平均は594万円、中央値は100万円。これは金融資産を持っていないという世帯も含む数値なので、金融資産保有世帯だけに絞ると、平均912万円、中央値は300万円。諸先輩たちの貯蓄の状況を鑑みると、相当頑張らないと、目標額には届きそうもありません。

 

次に年収について。

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(正社員)30代前半の平均給与は、月収で30.7万円、賞与も含めた年収で596.9万円。給与分布でみていくと、月収の中央値は29.0万円です。仮に30歳時点の年収の目標額705万円で、平均的な賞与を手にしていると仮定すると、月収は46万円。30歳にしてその月収を手にしているサラリーマンは上位4.4~5.6%に限られます。

 

――えっ、それだけ?

――30歳の給与ってそんなに低いの?

――もう、働くのが嫌になった……

 

社会人2年目で掲げた目標年収に達しているのは、ほんのひと握りのエリートだけ。思わず唖然となってしまう結果に、やる気がなくなるのも当然かもしれません。ただ社会人2年目が30歳になるまではまだ数年あります。毎年の賃上げが続いた結果、30歳の平均年収705万円、という時代が来る可能性もゼロではありません。

 

[参考資料]

ソニー生命株式会社『社会人1年目と2年目の意識調査2024』

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』