「二手先」まで考える…「エントリー後」のシナリオの重要性
プロトレーダーと初心者トレーダーの違いは、シナリオ構成能力にあると解説しました。プロトレーダーのように、客観的なシナリオを複数どおり考えておくことのメリットは、トレードに柔軟性を持たせ、実際のトレードでの判断力を上げることです。
初心者トレーダーは、エントリーポイントを慎重に探しますが、エントリーしたあとのポジションに関しては無計画であることが多いです。
もちろん、トレードは利益確定するまでが仕事なので、エントリーポイントがよくても、その後の計画がなければなにも意味がありません。せっかくテクニカル分析が上達してきたのに、利益確定や損切りの判断力が低ければ、トータルでプラスの収益を収めることはできません。
また、エントリー後のシナリオがないと、不意な価格変動が起きたときに判断速度を遅らせてしまいます。大きな損失に巻き込まれないためにも、二手先まで考えるトレードを心がけたほうがよいでしょう。
思考停止状態を防ぐことでトレード技術は向上する
FXに慣れてくると、テクニカル分析のみを信じてしまう傾向があります。「このサインが出たらエントリーする」など、トレード条件が統一されていることはいいことですが、エントリー後のことを深く考えていないことがあります。
機械的にトレードすることで、メンタル的なリスクは避けることができますが、利益確定や急な為替変動には対応できません。
今回は、プロトレーダーと初心者トレーダーの違いが、シナリオ構成能力にあると解説しました。FXに慣れてきたトレーダーほど、ひとつひとつのトレードで複数のシナリオを立ててリスク管理を徹底していくと、普段のトレードがより利益を生み出すトレードへと変化していくでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント
執行役員