相場の環境認識を行う際に、水平線を用いる人は多いでしょう。直近の高値や安値、長期足と短期足など、使う場面や使い方はさまざまですが、数あるテクニカル分析のなかでも非常にシンプルで使い勝手のいい分析法です。今回は、プロトレーダーが水平線を使う際にはなにに着目しているのか、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。
「月利30%トレーダー」が「水平線」を使った際に着目していること…線付近の値動き確認だけでは足りない ※画像はイメージです/PIXTA

テクニカル分析のひとつ「水平線」を活用したトレード

テクニカル分析のひとつである水平線は、昔から多くのFXトレーダーに用いられています。価格帯に線を引くだけという非常にシンプルな構造なので、初心者トレーダーからプロトレーダーまで幅広い層に支持されています。

 

水平線は、シンプルでありながらチャート分析をする際に多くの気付きを与えてくれます。しかし、水平線からさまざまな情報を読み取れるかどうかはトレーダー次第です。プロトレーダーの場合、水平線から「レジスタンスもしくはサポートになり得る」という分析だけでなく、サポート前後で強いトレンドが発生するかどうかまでを読み取っています。

 

今回は、相場の環境認識の前提条件である水平線が、トレード戦略を練るうえでどのように活躍しているのかについて、相場心理をもとに解説します。

節目の価格と相場心理

水平線は、直近の高値や安値など、節目の価格帯に引くことが多いでしょう。チャート分析のなかでも比較的簡単に引けるラインなので、初心者トレーダーでもプロトレーダーと同じ水準でラインを引くことができます。

 

そのため、流通量が多い通貨は、多くのトレーダーが注目する共通の価格帯が存在します。注目が集まる価格帯では、個人トレーダーや機関投資家などさまざまなトレーダーの注文が殺到しています。その結果、注目度の高い水平線付近は、レジスタンスやサポートとして機能しているのです。

 

節目の価格は、大衆心理にも大きな影響を与えます。個人トレーダーの多くは、節目の価格がブレイクするラインで損切り注文を置く傾向があります。節目のライン付近で損切りや新規注文を入れることは、自分のトレードルールとして確立しやすいため、教科書的なトレードを実現することができます。

 

しかし、大衆心理が集中しやすい水平線付近では、初心者トレーダーの損切り注文を狙うような突発的な値動きが起こりやすい傾向があります。プロトレーダーは、現在起きている水平線付近での値動きが突発的なものなのか、トレンドとして継続する可能性が高いものなのかを判断してトレードを行っています。