親の終活「話したことがない」が7割
日本の持ち家率は6割ほど。ただ年齢別にみていくと、年齢があがるごとに持ち家率はあがり、高齢者になると8割を超えるといわれています。つまり、多くの人が、親に万が一のことが起きたら、“実家”をめぐる相続に直面するということです。
一方で、相続での遺産をめぐる争いにおいて、最も多いとされているのが、不動産をめぐるもの。金融資産であれば相続人の数などに合わせて分けやすいですが、不動産となるとそうはいかず、「売って分けよう」「いや、住みたいから売却反対」などと主張が入り乱れて揉めがちです。
相続争いを防ぐためにも、親が元気なうちから相続について話し合うことは大切。ただ実際は難しいようです。株式会社エス・エム・エス『親の終活に関する意識調査』によると、『相続について不安がある』は67.6%と7割弱に達するにも関わらず、『相続する不動産について話したことがある』と回答したのは22.9%と、4~5人に1人という水準。また「親と終活について話したことがある人」は33.6%。7割弱の人は、相続以外の話題を含む終活についても、親と話せないでいます。
なぜ「親と話し合っていないのか」の質問には、最多が「切り出しにくい、話しにくい」で42.4%。やはり、まだ元気なうちに万が一のことは話しづらいというのが、一番の理由のようです。
そんななか、80歳の義理母と終活・相続について話し合ったことを投稿した40代女性。義理母のほうから、今後について話があったといいます。
夫と交えて話を聞いたところ、義理母は「今住んでいる自宅を売却し、老人ホームに入居したい」と切り出したといいます。確かに、最近は足腰も弱ってきて、階段の上り下りが大変そうなのを見ていました。ただリフォームをすれば苦労は解消されるし、介護が必要になれば近くに住む自分が……という覚悟もしていたと女性はいいます。
ただ義母としては、「自宅を売却して、3人の子どもに公平に遺産を残したい」というのが一番の希望だといいます。女性の夫(義母にとっては長男)は「いいんじゃない、それが母さんの希望なら」と後押し。もちろん女性も賛成したといいます。