怒っても響かない、話を聞いているのかも分からない…そんな「楽観タイプ」なZ世代にはどう接すればよいのでしょうか。このタイプは自分自身に意識が向いていることが多く、物事の理由を追求しない傾向にあります。自身もZ世代である、株式会社OMOCHI代表取締役である白附みくる氏の著書『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』(サンクチュアリ出版)より、感覚的に生きる彼らを伸ばす、最適な接し方を見ていきましょう。
ミスをして叱られても、同じことを繰り返しがち
「楽観タイプ」の特徴は、次の通りです。
・感覚値でいろいろとできる人であり、物事を深く考えず、理由を追い求めない
・「なぜ?」「どうしてこうなっているんだろう?」「この人はなぜこのように思っているのだろう?」などと深く考えない
・割と器用なタイプでなんとなくできてしまうため、わからずに「なぜだろう?」と考える思考をそもそも持っていない
・怒られてへこんでいるふりをしていても、じつは気にしていない
・ほめられたら喜ぶものの、なぜほめられているのかまでは考えない
・人から言われた言葉をそのまま受けとるタイプ
・あまりまわりを気にしていない
・人から言われた指示で行動することが多い→「怒られるから〇〇をする」「ダメと言われたから△△はしない」
・根本を理解しないため、同じミスを繰り返してしまう
・誰でもできる簡単なことや単純なミスを繰り返すことが多い
・「わかっています!」と言いつつも、じつはあまりわかっていない
・話を聞いているようで聞いておらず、聞いた直後に耳から抜けてしまっている
・矢印が自分に向いている
「楽観タイプ」の人は明るく、割と人気があるタイプです。叱られてもあまり気にしないため、ミスをして自分が叱られても、同じことを繰り返す傾向があります。
また、お客様に対する想いは少ないほうなので、注意する際にお客様に迷惑がかかることを伝えてもあまり響きません。たとえば飲食店のアルバイトで遅刻をしたときに、レジが開かなくてお客様に迷惑をかけることを伝えても、「お客様に申し訳ない」という気持ちがあまりわいてこないのです。
もっとも、学校には遅刻をするものの、アルバイトにはあまり遅れないタイプです。なぜなら、店長や一緒に働く人に迷惑をかけるからです。お客様は「遠い存在」ですが、「仲間に迷惑をかけたくない」という意識は強いのでしょう。学校に遅刻するのは、「自分に迷惑がかかるだけだから、まあいいか」と思っているのかもしれません。
叱るときは「心に刺さる言葉」を伝える
楽観タイプの人を叱るとき、声を荒げるのはNGです。じつはあまり効果がないからです。どれだけ厳しく伝えても、「怖いっすよ~」「また怒られた……」と受けとめるのが、このタイプです。
楽観タイプの人を叱るときは、「心に刺さる言葉」を伝える必要があります。ミスをしたことでどんなことが起きてしまうのかを理解していないことが多いので、本質の話をして、「心に刺す」のが有効です。
楽観タイプは身内を大切に思っているので、自分のミスによって誰に迷惑がかかっているのか、誰が困るのかをきちんと伝えることで、意識が変わる可能性があります。つまり、自分が怒られることに意識を向けるのではなく、ミスによって好きな上司や先輩が「ダメな人」と思われてしまうことをきちんと理解させましょう。
大切な人を想うことはできるのですが、自分のミスで会社の評価を下げてしまうことを理解していません。上司や先輩の評価を下げる行動をすることで、さらにその先の人たちが悲しくなってしまうことまでは想像できないのです。
とにかく「自分の大切な人たち」が困っていることを伝え、矢印が「自分」に向いていることで誰かに迷惑がかかっていること、自分以外の人たちが困っていることをわかってもらいましょう。
楽観タイプは、人前で叱ってもかまいません。なぜなら、あまりまわりを気にするタイプではないからです。もしかすると、人前で叱ったほうがシャキッとするかもしれません。