Z世代は「受け身」の人が多い?

Z世代は「受け身」の人が多いと、一般的には言われています。わたしも、「たしかにそうかもな」と思うことがあります。自発的に動けない人は、何かしらのマインドブロックが原因で受け身になっているケースが多いように感じます。自分で考えて動いたのに「余計なことをするな」と言われてしまったことが原因で、自発的に動かなくなった人が少なからずいるのではないでしょうか。たとえば学校で、「お前、調子に乗るなよ」と言われたら、自分から動くことをためらうようになるかもしれません。

自分から率先して動く人は、実際にリーダー経験があるのではないでしょうか。そして、自ら動いたことでまわりから評価された成功体験があるから、その後も動き続けることができているはずです。

一方で、自分から動けない人は、たとえば「お前はリーダーには向いていない」と言われたり、リーダーを見て「難しそうだし、大変そうだ」と思ったり、自発的に動いている人から愚痴を聞いたりした経験から、「そこまでして自分から積極的に動くのは面倒だ……」と思っているのかもしれません。

こういった思いを抱いていると、マインドブロックがかかった状態に陥ってしまいます。たしかに、自分から率先して動くことで、できることの幅は広がるかもしれません。

ただ、わたしは「すべての人が自発的に動いたほうがいい」とは考えていないのです。

人には向き不向きがあります。ただ淡々と物事をこなす人の存在も必要ですし、続けていけることは、素晴らしいと思いませんか? とくにわたしは淡々と物事を持続させていくことができないタイプなので、できる人のことを率直に「すごいな」と思います。

自発的に動くよりも、言われたことを黙々とこなすほうが得意な人はいます。クリエイティブな仕事や企画、営業のような外交的な仕事に就いている人なら自発的に動いてほしいところですが、社内の人全員が自発的でなくても組織は成り立ちます。

各々に向いている仕事をしてもらえばいいのです。つらい思いをしながら、無理に自発的になろうとするほうが、ストレスがかかりますし、うまくいかないかもしれません。

ただ、自発的に動けない理由が、「自分の展望が見えない」「自分の仕事を増やしたくない」といったものなら、わたしは、「将来どうなりたいの?」「お給料を増やしたいと思わない?」といった投げかけをします。マイナスの理由ばかりでは、やはり成長が見込めないからです。

ですから、「将来どれくらい稼ぎたくて、どれくらいのお金を手元に置いておきたいのか」という、その人のゴール設計をきちんと聞いてあげましょう。女性なら、「結婚したら、寿退社したいです」と言う人もいれば、「結婚しても、スキルを身につけて自分でできるようになりたいです」と言う人もいます。

どう考えているのかは、聞いてみないとわからないものですから、定期的にZ世代の将来のゴールを尋ねてみてほしいのです。