1990年代半ばから2010年代序盤生まれの若者を指す「Z世代」。なかでも、ほめられることで伸びる、通称「ほめ伸びタイプ」の人たちは「最初の関係づくりを慎重に進めることが必要」と、自身もZ世代である、株式会社OMOCHI代表取締役である白附みくる氏は言います。白附氏の著書『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』(サンクチュアリ出版)より、このタイプのZ世代と良好な関係性を構築するための方法を詳しく見ていきましょう。
「ほめて伸びる」Z世代の意欲をさらに上げる“理想のほめ方”
ほめ伸びタイプの人が壁を突破できずに苦しんでいて、本人も気にしているように感じられたときは、どのような対応をすればいいのでしょうか。
「ほめ伸びタイプ」は、ほかのタイプ以上に怒られることを怖がります。
プライドが高いため、失敗して怒られたり否定されたりすることが、何よりも怖いと感じるのです。ですから、どんなときもできていることを見つけ、ほめてあげましょう。
〇 「責任はこちらがとるから。何か失敗しても、あなたの責任にはならないから。大丈夫だから、できる限り、自分でやってみて」(チャレンジをうながすとき)
このタイプには、「わたしが責任をとるから、やれるところまでやってみなよ。もちろん、いまでも十分素敵だけれどね!」と伝え、チャレンジすることへの不安を取り除いてあげましょう。そうすると、「それならやってみよう!」と気持ちを切り替え、一生懸命取り組めるようになります。
ほめ伸びタイプをもっと伸ばしたいとき
× ただほめるだけ
〇 「これもできるんじゃない? やってみなよ」
〇 「すごいね! でも、これもできるようになったらもっとすごいね!」
ほめ伸びタイプを育成する最良の方法は、「仕事を任せること」です。「1回やってみて」と任せて、結果をほめてあげましょう。いつもと同じことをお願いし、ただほめるだけのパターンで仕事を進めると、お願いされることをただ待つタイプになってしまう危険性があります。
「これだけやりました! ほめてください!」となってしまうと伸びなくなるので、現状を認めたうえで、次のステップでも優しく提示してあげてください。
ほめ伸びタイプをさらに伸ばしたいとき
〇 「え? 頼んでいないのにやってくれたの? うれしい!! ありがとう!」
× 任せた結果に対して怒る
ほめ伸びタイプをさらに伸ばすには、本人に考えさせることも大切です。気をつけたいのは、そのときの結果に対して怒らないこと。怒ると自分で考えることが怖くなり、「指示待ち人間」になってしまいます。自分で取り組む環境をつくり、自分で考えて取り組んだことをほめてあげましょう。
また、自主的に動いたら、そのことも認めてあげてください。そうするととてもうれしくなり、自分で考えて行動する人になるでしょう。
白附 みくる
株式会社OMOCHI代表取締役