どうすれば長生きできるのか? それは100歳でも元気でいられるような習慣を選択することです。内科専門医・秋津壽男氏の著書『100歳でも元気なのはどっち? 長生きする人・しない人の習慣』にはその習慣がまとめられています。それでは、日常生活を送るなかでのストレスについて紹介します。
ストレスはあった方がいい?
現代人とストレスの関係は盛んに議論されてきました。
過度なストレスはさまざまな病気を引き起こす要因になると言われますが、そもそもストレスとはなんでしょうか?
一般的にストレスというと、心身にマイナスの影響を及ぼす出来事や要因を指すことが多いです。
しかし正確には、これは「ストレッサー」とよばれるもので、ストレスとは区別されます。
ストレッサーとは外部環境からの刺激のことで、暑さや寒さ、病気や外傷だけでなく、負荷のかかる運動や人間関係における緊張なども含まれます。
そして、これらのストレッサーに対する心身の反応を「ストレス」といいます。
たとえば、あまりのうれしさに涙が出たり、寒さで鳥肌が立ったりすることも「ストレス=反応」なのです。
つまり、ストレス(反応)がないということは、ストレッサー(刺激)に鈍感になっている状態です。これは、体内に侵入する細菌やウイルスを排除する免疫力が減退している状態とも置き換えられ、放っておくとウイルスに侵されてしまう可能性があります。
それゆえ、適度にストレスがある環境は、実は歓迎すべきと言えます。心身への適度な負荷は、脳が活性化され、仕事の効率が上がるという研究もあります。
しかし一方で、過剰なストレスが続く環境では、そのストレスに体が適応できず、自律神経系や内分泌系に異常が生じます。ストレスの多い現代社会では、こちらのほうが問題と言えます。
では、私たちは、ストレッサーが溢れる環境の中で、どのように暮らしていけばいいのでしょうか。