どうすれば長生きできるのか? それは100歳でも元気でいられるような習慣を選択することです。内科専門医・秋津壽男氏の著書『100歳でも元気なのはどっち? 長生きする人・しない人の習慣』にはその習慣がまとめられています。起きるときの習慣について紹介します。
スマホは便利だけど問題もある
スマホを朝から晩まで使って生活する人が増えました。
ニュースを見るのも、書籍やコミックを読むのもスマホ。音楽を聴くのもゲームをするのもスマホ。映画や動画も観ることができ、分からないことや知りたいお店をすぐに検索できる……。
スマホの便利さは素晴らしいものですが、最近は、つい触り続けてしまう、持っていないと落ち着かないという、スマホ依存になっている人も多いようです。
そして、短期間で急激にスマホを使う時間が増えたことによって、眼精疲労・不眠症・倦怠感・うつなどのたくさんの症状を引き起こすことが報告されています。
スマホ依存と「脳過労」
スマホのコンテンツ制作者は、いかに長い時間、自社のコンテンツを見てもらうかに必死です。視聴者の脳を興奮させるために、その内容や演出は激しさを増していきます。
このようなコンテンツを日常的に見ていると、「脳過労」という状態になります。
常に大量の情報にさらされ、それらを処理することで脳の機能が麻痺して、自律神経のバランスが崩れ、セロトニンなどの情報伝達物質をうまく分泌することができなくなるのです。
また、寝る前にスマホを見てしまうと睡眠時間が削られるだけでなく、脳が休んでいない状態で眠ろうとしても、質の良い睡眠を確保することができません。
それを解決するためには、意識してスマホの使用頻度を減らすしかありません。
まずはベッドにスマホを置くのをやめる
目覚まし時計がわりにスマホのアラーム機能を使っている人の中には、就寝前にスマホで目覚ましをセットしようとして、ついネットサーフィンしてしまったという経験のある人も多いでしょう。
また、起床時に目覚ましのアラームを止めようとスマホを手に取って、ついニュースやメールをチェックしてしまうというようなサイクルに陥っている場合、まず、そのことを自覚することから始めましょう。
その上で、目覚ましはスマホではなく目覚まし時計を使う、メールはスマホではなくパソコンでチェックする、仕事や作業をするときはスマホを別の部屋に置くなど、自分でできる対策を講じていきましょう。
朝から晩までスマホを手離せないスマホ依存に陥ることで、「脳過労」の状態になっていることが多い。脳が危険な状態にさらされていることを自覚し、利用を制限しよう。
まずはスマホのアラームを切って、目覚まし時計で起きることから始めよう。
秋津 壽男
医師