「物忘れ」はだれにでも起こり、40代からすでに始まっています。そのような場合、「体験の細部」を忘れるパターンはあまり心配ありませんが、体験自体が抜け落ちるようだと、注意が必要です。※本連載は、医師・常喜眞理氏の著書『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。
本人も周囲も、認知症を受け入れる勇気が大切です
ここまで、記憶障害や認知症対策について述べてきましたが、残念ながら発症する年齢や程度の差こそあれ、ほとんどの人が歳をとれば認知症になります。
認めたくないかもしれませんが、これは避けられない事実です。
私自身、いまのところ体は元気でも、着実に認知症に近づいています。これを読んでいるあなたもそうでしょう。
高齢社会となったいま、このことを改めて社会全体で受け止めるべきだと思います。ACジャパンの認知症の啓発ポスターに、こんなコピーがありました。
58歳の時に認知症と診断された。
「それがどうした」と
言ってくれた人達がいた。
いい言葉だなあ、と思いました。
本人も周囲も、この症状に対してオープンな心を持つ。そんな世の中であれば、認知症もそれほど怖くないかもしれません。
心がけたいですね。
常喜 眞理
家庭医、医学博士