脂肪肝の改善には、食生活を整えることが重要です。医師と脂肪肝と診断された由美さん(仮名)の会話を通して食習慣を見直しながら、具体的な糖質の摂取量について見ていきましょう。尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)より、実際のエピソードとともに肝臓をいたわる食事法を解説します。
脂肪肝を改善する食生活のすすめ!「糖質オフ」に慣れたあとは…タンパク質の“神セブン”で痩せやすい食事を【専門医が解説】
糖質オフに慣れたらタンパク質をプラス
「あとは、次回からはぜひ、タンパク源をプラスしてください」
「えっ、ダイエット中でせっかく体重が減っているのに、食品を加えるんですか?」
「そうです。最初の1ヵ月はまず糖質の摂取を控えて、余計な脂肪を減らすことに重きを置いて体重を減らしてきました。でも、それだけでは体は弱ってしまうばかりか、筋肉が落ちて痩せにくくなるんです。だから、筋肉量を減らさない、できれば増やすようにしていくのが、ここからの食事スタイルです」
「そうなんですね。わかりました」
「野菜スープに卵を1つ落としたり、豚こま肉やとりつくねを入れたり。ツナ缶、サバ缶などで魚介を加えればうま味も増すでしょうし、豆腐を加えるのもいいでしょう。手間の少ない方法で、何か1つタンパク源を足してみてください。納豆を1日2パック食べるのもおすすめです」
なるほど。いろいろとアレンジが利きそうだ。
「タンパク源を加えることでお腹も満たされるので、空腹対策にもなりますよ。厳密に守る必要はありませんが、毎食タンパク質を20~30g摂れるとバランスのよい食事になります。肉と魚は100gでタンパク質量20gです。それから、卵1個、納豆1パック、豆腐3分の1丁、無糖ヨーグルト150gは、それぞれタンパク質量が7gです。なので、この中から3つ選べばタンパク質量21gになりますね。ぜひ参考にしてみてください」
「はい。野菜スープに加えるのは、ベーコンやウインナーでもかまいませんか?」
「問題ありません。ただ、ベーコンやウインナーは、別の観点から注意したいこともあります。ちょうど由美さんにお伝えしようと思っていました。納豆、豆腐、ゆで卵、サラダチキン、ツナ缶、サバ缶、チーズはタンパク質摂取のために常備しておきたい“神セブン”です」
脂肪肝には、毎食20〜30gのタンパク質を確保せよ!
尾形哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医