投資経験がない人のなかには、「損しそうで怖い」「貯蓄じゃダメなの?」と、投資に対してネガティブなイメージを持っている人も少なくありません。しかし、『ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』著者の小山信康CFPは、投資をしないことによる“思わぬリスク”について、警鐘を鳴らします。そのリスクとはなんなのか、詳しくみていきましょう。
新NISAは義務ではないが…「投資をしない」という選択の“思わぬリスク”【CFPが解説】
新NISAは義務ではないが…貯蓄による「インフレリスク」に要注意
お金の実質的な価値は一定ではない
投資初心者の方の中には、たぶん投資を躊躇される方もいることでしょう。
そのような方にとっては、無理に新NISAを利用しない、つまり投資そのものをしないという選択をするのもひとつの方法です。投資は義務ではありませんから、あせって無理に始める必要はありません。
ただ、投資を始めないことによってリスクを抱えるかもしれない可能性には注意が必要です。
昨今のインフレによって、多くのモノやサービスが値上がりしました。値上がりしたということは、相対的に貨幣の価値が低下したということを示します。もちろん、利息で預貯金を増やしていくのもひとつの方法ではありますが、「増えていると思っていたら、実質的な価値は減っていた」とならないようにしたいものです。
投資は「インフレ対策」のひとつとして有効
その手段のひとつとして、投資は有効と言えます。できれば、いま躊躇している人ほど、ぜひ少しずつ投資することを考えてみてください。
無理に新NISAの非課税投資枠のすべてを使う必要はありません。「毎月1万円ずつ」といった形で、徐々に利用することを検討してみてください。年間12万円程度の投資であれば、もし一時的に損をしたとしても、みなさんの生活を激変させるほどの影響はないはずです。
また、少しずつ投資を続けることによってリスクを小さくする効果も期待できます。持っている資産をすべて一気に投資するとなるとハードルが上がりますが、収入の一部を蓄える気持ちで、数万円ずつ積み立てる姿勢であれば、落ち着いて投資と上手に向き合うことができるはずです。