自分の親に合ったホームを選ぶには?
年末里帰りして、両親が予想以上に老化していてびっくりした経験はありませんか? そんなとき、かかりつけ医や相談したケアマネージャーに施設を勧められることがあるかもしれません。
そうはいっても、シニア大国・日本の老人ホームは特養、認知症グループホーム、有料老人ホームの合計だけでも約4万軒といわれています。数多ある老人ホームのなかで、私たちはどのように自分の親に合ったホームを選ぶのが正しいのでしょう?
大前提「みんな老人ホームなんかに入りたくない」
まず大前提として、始めから老人ホームに入りたいという人はいないでしょう。それは若者でも高齢者でも同じです。自分の親には最低でも月10万円かかる老人ホームなんかへ入らずに、少しでも長く健康に暮らし続けてほしいと、多くの人が思っているはずです。
しかし、人生には等しく終わりがあり、一人暮らしができなくなるほど、人はいつか老いるのです。それにも関わらず、50~60代、70代でさえ「老いる」ということが、本当の意味でどのようなことなのか想像できません。なぜなら「老い」というのは、「ほんの少しずつ起こる日常の変化で、患っていることが日常である状態」を指すため、客観視しづらいのです。
よく「認知症になったらしょうがないから老人ホームにはいる」という方がいます。しかし、認知症は脳の病気の一種であり、精神病を患う方が自分を病気と思わない、という例があるように、認知症も「病識がない病気」です。そのため、たいていの場合、本人は気が付きません。老人ホームは老化に備える危機意識の高い方たち「賢明なシニアだけが自ら選択する住まい」であり、そうでない場合は子どもや家族がその人を想って「心配だから、入ってもらう住まい」なのです。