「金利」と株式投資の関係性
また、金利にも注意を向ける必要があります。
低金利の局面では預金や債券投資の旨味が小さくなりますので、株式に資金が流入し、株価が上昇しやすい環境になります。一方、金利が上がれば預金や債券投資への旨味が大きくなりますので、株から預金・債券に資金が流入し、株価は下落しやすくなります。
また、過度な物価高のときは、中央銀行が金利を上げて「お金の供給量」を減らそうとする傾向がありますので、その動向にも注目すべきでしょう。
なお、これらはあくまで「傾向」であって、必ずその通りになる訳ではないということを心に留めておきましょう。現実の相場は、各投資家のマインドなどさまざまな要因によって複雑怪奇な動きをみせるものです。
物価上昇は本来望ましいことなのに…メディアはなぜ「物価高で大変」と報じるのか
ところで、緩やかな物価上昇は望ましく自然なことであるはずなのに、なぜ「値上げばかりで生活が大変」というようなネガティブな報道が目立つのでしょうか。
落ち着いて考えれば、近年の日本が「急速な物価高で社会混乱を引き起こしている」ようにはみえず、一定の対策は必要としつつも、特別に悪いことが起きている訳ではなさそうです。以前は「デフレ不況だ」「日本は長年物価が上がらず『安い国』になってしまった」などと報じられていたのですから、そうした状況を脱したサインともいえる物価上昇はむしろ良いことでさえあるはずです。
「物価高」についてネガティブな論調が目立つのは、「物価高で大変」と報じたほうが人の興味を引けるという、メディアの戦略に過ぎないのかもしれません。「緩やかに物価が上昇するのは自然なことで、いまの指標をみればそう悪い状況ではない。一定の対策をしていることが条件だが、この状況が続くのは望ましい」と報じても、視聴者を集められないのでしょう。
ニュースを報じる人は、注目を集めなければ仕事が成り立たないので、仕方のないことです。しかし、株式投資をする人はそうしたニュースも冷静に眺めて、自分なりに分析する必要があるでしょう。