将来的に“巨大企業”になる会社の株を早期から保有し続け、その会社の成長とともに自らも資産を増やすことができれば、株式投資としては「大成功」といえるでしょう。本記事では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、「真の成長株」を見つけるために知っておきたい3つのポイントについて解説します。
売り上げが伸びている会社→「買い」は早計?…株式投資を“大成功”に導く〈真の成長株〉を見つけるための3つのポイント【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

大きくて新しいビジネスを始めた会社に注目

株式投資においては、将来の成長余地が大きい会社の株を「成長の芽」が出る前段階で取得し、花が咲くまで保有し続けることができれば、かなりの利益を享受できます。

 

それでは、どのようにすれば「成長の芽が出る前段階の株」をみつけられるのでしょうか。

 

まずは、大きく稼げる新しいビジネスを始めた会社に注目してみましょう。すでに他社が行っている、すなわち新しくないビジネスならば、どうしても競争が生まれ、消耗戦を強いられてしまう可能性があります。たとえそれが大きく稼げそうなビジネスであっても、そこに賭けるのは危険かもしれません。

 

また、新しいビジネスであっても、最終的な市場規模が小さい、すなわち大きくは稼げそうもないビジネスであれば、成長は早い時点で止まってしまいます。新しいビジネスであることに加え、大きく稼げる可能性を秘めていることが、ともに必要なのです。

 

たとえば、AppleはiPhone、Googleは検索エンジン、といった大きく稼げる新しいビジネスを始めました。どちらも、人々のライフスタイルを変えるような大きさ、新しさでした。

 

ユニクロなどを展開するファーストリテイリングも、独自ブランドのカジュアル衣料量販店チェーンという、それ以前になかった大きく稼げるビジネスを始めました。同社の販売によるフリースやヒートテックなどの普及もまた、人々のライフスタイルを変えたといえるでしょう。

 

新しく、そして大きな市場を開拓した企業だけが、成長して巨大企業になれるのです。

その会社は“つぶし合い”を避けられる状況にあるか

大きく稼げる新しいビジネスであることに加え、ほかに敵がいない状況になっていることも重要です。

 

敵がいてシェアを争っているような状況だと、値引き合戦になったり売り上げを維持するための経費がかさんだりして、すぐに成長が頭打ちになってしまう可能性があります。

 

たとえばインターネットが普及し始めた頃、ユーザーのコンピュータをインターネットに接続する「プロバイダ業者」が山のように出現しました。当時のその市場は新しく、大きな成長余地を秘めていることが予見されていたのです。

 

しかし、結局それらの業者はつぶし合い、現在も生き残っている業者は数えるほど。生き残っている業者も、競争によって大きな消耗を強いられました。

 

仮にほかに敵がいない状況であったなら、少ない経費で大きな利益を得て、その地位を揺るぎないものとし、成長し続けることも可能だったでしょう。

 

大きく稼げる新しいビジネスを始め、ほかに敵がいない状況になっている会社は、その後も成長し続けることができます。そうした会社の株を見つけ出すことで、大きな利益を得られるのです。

売り上げ・利益・キャッシュ流入量が伸びているか

なお、そんな会社を見つけたときは、投資の前にきちんと決算書をチェックすることも忘れてはなりません。

 

規模、すなわち売り上げが伸びていても、その時点で買いの判断を下すのは早計です。なぜなら、売り上げを作るために経費が多くかかっており、利益がそれほど伸びていないケースもあるためです。

 

また、会計上の利益が伸びていても、キャッシュ流入量はそれほど伸びていない会社や、借金をして他社を買収し、見た目は大きくなっていても実は財務が苦しくなっている会社もあります。

 

売り上げとともに利益も伸びているか、利益とともにキャッシュの流入量も伸びているか、自己資本比率が減少し続けていないか、などもチェックする必要があります。

 

そうしたチェックを経ても本当に成長しているといえる会社の株こそ、持ち続ける価値があるのです。